2013年12月25日水曜日

管理者の訪問看護経験知を人材育成に生かす

12月中旬栃木県訪問看護ステーションサポート事業があった。この事業は県の予算で今年度からの実施である。そして訪問看護ステーションの経営・運営支援を目的としコンサルティングがその中心事業になっている。
コンサルの内容であるが中規模から大規模では次期管理者の育成、小規模では利用者確保の課題だった。コンサルティングしたステーションでの共通の課題は看護師の人材育成だった。

訪問看護が初めての看護師は誰の訪問看護のスキルを目標にすればよいのか?そのお手本となるのが管理者の内にある経験知だと考える。管理者が今までの現場経験で培ったスキルである。そのまま管理者の内にとどめておくのはもったいない。その伝え方がOJTであり報・連・相や事例検討である。このような機会に自分の経験を具体的に示す、より高度なスキルを伝授する、教訓を生かせるように指導する、経験をもとに価値ある情報を与える、抱えている不安や心配ごとに耳を傾けるなどのコーチングを合わせて行う。この方法ならば訪問看護業務をしながらでも実践できるはずである。

研修受講とのあわせ技としてコーチングを活用し訪問看護師を育成してほしい。同時に訪問看護の楽しさも伝えてほしい。



 

2013年12月13日金曜日

在宅移行の課題

我が家のクリスマスオーナメント
医療機関から重症度の高い利用者の在宅移行による業務の煩雑さが問題になっている。
そのひとつは医療機関のDPCシステムによる入院期間の短縮化である。報酬算定を考慮すると医療機関は入院期間をできるだけ少なくしたいと考えるあまり患者の在宅での療養環境や介護状況、治療継続のための処方薬の調整等への配慮をすることなく退院せざるを得ないことがあるという現実。

ステーションでもさまざまな対応や調整を求められている。残念ながら多くの医療機関は在宅移行後の患者の状況の把握までできていないのが現状である。ステーションからみればそんなことも把握できていないのかと思うだろうが、医療機関の対応を責めても始まらない。在宅移行がスムースできれば訪問看護の導入時の煩雑さが少なくなる。しかしなによりも利用者や家族の負担軽減ができるのである。そのためには在宅移行時の不具合や課題を具体的にフィードバックしてほしい。

     




2013年12月2日月曜日

鉄は熱いうちに打て

左の写真は黄色く色づいたイチョウです。今年は朝と昼間の気温差が激しいこともあり紅葉が美しいですね!

11月30日神奈川県訪問看護ステーション協議会開催の新任管理者研修会がありました。受講資格は管理者になって3年未満ということでしたが、なんとほとんどが1年未満。6か月未満が半数以上でした。
神奈川県は今年度すでにステーションの新規開設が100か所を超えたそうです。

管理者になったばかりで数か月手さぐり状態でなんとか過ごしいるそんな受講生ばかりでした。熱心にメモをとりながらの学習とグループワークによる互いの情報交換、5時間はあっという間でした。

「鉄は熱いうちに打て」のことわざがあるように管理者になって数か月のうちにステーションの経営・運営を学ぶことができれば試行錯誤のすえに残念ながら脱落していく管理者を救うことができるかもしれないと感じました。

2013年11月26日火曜日

行ってきました!ポールマッカートニーライブ

左の写真わかります?
東京ドームの3塁側からステージを撮ってます。
11月18日月曜日、ポールマッカートニーのライブコンサートいってきました。
5万人の大観衆でした。
でも通常のコンサートと違っていたのは、観客の年齢差。円背のお祖母ちゃんや杖をついてるおじいちゃんから小学生低学年までと幅広く年齢を超えた人気を感じました。

ポールマッカートニーは東京ドームでコンサートした歌手の中で最高齢の71歳。
でも年齢を感じさせない歌声はもちろんのこと3時間40曲をほとんどMCなしで歌いきったそのエネルギーには感服。
歌はもちろんこと「もっと聞きたい?」と片言の日本語でも観客を湧かせた。さすがプロフェッショナル!

2013年11月18日月曜日

平均単価は1万円以上

羽田空港第2ターミナルのクリスマスツリー
各地の管理者に研修会とコンサルティングでステーションの経営の基本的考え方と利用者確保の方法や事業収入を増やす方法を伝えてきた。研修会とコンサルティングを合わせ技で実施するようになったのは、当時富山県のステーション数が全国最下位だったことにある。今年で7年になった。

うれしいことに現在ステーション数は10か所増え全国最下位を脱し今も増加傾向だ。それだけでなくコンサルティングではステーションの規模にかかわらず平均単価が1万円以上なのだ。この7年間事業収入を上げ安定した経営にするには平均単価を上げようと管理者を指導してきた。その結果がでてきたのかな?と思った。時間がかるが成果が出てくると役にたててよかったとうれしくなる。

2013年11月11日月曜日

看護師の医療行為拡大

11月8日厚労省は看護師の医療行為の拡大を決めた。

日本看護協会は平成22年から「特定看護師」に関する試行事業を開始し7大学院11課程・2研修機関4課程で実施してきた。そしてすでに課程を修了し現場で「特定看護師」として働き一定の評価もあるとしている。このような教育体系で一定の教育を受けた「特定看護師」による医療行為拡大を目指していたが「特定看護師」の資格名称も見送られた。

厚労省は医師の具体的な指示がなくても看護師が一部の医療行為ができる制度の創設を決めたとしている。

今まで医師が実施してきた41の医行為を「特定行為」と位置付け、国指定の研修を受講すれば看護師自身の判断で気管内挿管や脱水患者への点滴、褥瘡の壊死部分の切除、高カロリー輸液量の調整などを医師が事前に示した手順に従いかつ看護師自身の判断に基づいて実施できるようにするとしている。

この制度は、次期通常国会に「保健師助産師看護師法」改正案を提出し2015年の施行を目指すという。
国指定の研修等の内容は明確になっていないが、看護師の医療行為拡大としていることから訪問看護の現場でも同様なると考えられる。
急展開な決定には、新聞等の情報によると「特定看護師」の資格の見送りを含めて日本医師会の意思が強く働いていたようだ。

急激な方向転換にだただた驚いたというのが正直なところだ。
どのような制度になるのか不安を感じる。





2013年11月6日水曜日

機能強化型訪問看護ステーション(仮称)

11月3日読売新聞1面「訪問看護に機能強化型」中央社会保険医療協議会で本格的な議論を開始。

現在の情報では機能強化型とは
  • 24時間対応での看取り、
  • 重症度の高い患者の受け入れ、
  • 介護支援専門員の配置
が評価される。また病院や診療所介護施設などと連携し訪問看護ならではの視点で利用者の状態にあった医療や介護サービスを受けられるよう支援し利用者の重症化を予防を図るとしている。そしてこのようなステーションには報酬の加算がつくということである。
全国のステーションの約半数程度が指定される見通しとなっている。

一番気になるのは、介護支援専門員の配置である。居宅との併設をいうのかは不明であるが、厚労省の資料を読んだところ介護支援専門員との兼務状況のデータを参考にしているところから推測すると居宅併設になるかもしれないといことである。ステーションに併設する居宅支援事業所の多くは経営効率が悪いことから休止しているところも多くあるので、介護支援専門員の配置についての詳細を待ちたい。

2013年10月30日水曜日

難病患者の支援制度の見直し始まる  

難病患者の医療費助成制度の見直しの素案が厚生労働省から出され検討にはいった。
この素案が決定すれば新法作成後、平成26年1月の施行を目標としているそうだ。

現在医療助成対象疾患は56疾病で重症者つまりALS等では自己負担なしである。

助成対象疾患は300まで拡大され、重症者に限定するそうだ。
新たに難病指定される疾患や認定基準はまだ決まってはいないが、今まで認定されていなかった患者は負担が軽減するが、すでに助成を受けていた患者は負担が増える可能性もあり
負担額も収入に応じ上限額が決まるが自己負担は2割とする案が示されている。

訪問看護利用者には難病患者がいるステーションも多くある。2年先のことだから、まだ決まったわけではないからとやり過ごすのではなく今後の成り行きを注視してください。

2013年10月21日月曜日

認知症アセスメントスケール

「研修講師がいないからお願い!」という切迫した大学院の友達からの電話。
10月20日千葉県の経験3年未満の社会福祉士を対象とする研修会「認知症アセスメントスケール」の講師を引き受けた。
当日は雨降る寒い日曜日だった。
研修受講者は少ないが年齢の高い人から若いかたと年齢層の幅がかなり広かった。

研修に至るまでのプロセスは次のようだった。
研修講師を受けたのはよいが対象者が社会福祉士で研修内容が「認知症のアセスメントスケール」である。
今まで経験したことがない。
そこでパワーポイントスライド作成するにあたり再度認知症の在宅介護の最新の情報を含め学習をした。
次に学習した知識に基づき人脈を駆使し認知症のスペシャリストの医師からの情報収集をした。
また訪問看護ステーション時代に訪問看護導入時に認知症の有無とレベルの評価をしていた当時の記憶を手繰り寄せた。
それに加え認知症の母の現在進行形の介護体験をブラッシュアップし研修内容に加えた。
そして研修日当日を迎えた。

受講生の反応はよかった。
母の介護体験を話したが現場の経験者ということもあり関心も高く午後の眠い時間にも関わらず熱心な受講だった。

つい最近の気づきいたこと。日本訪問看護財団での講師年数を含め来年で研修講師稼業はなんと10年目を迎える。
誰かに聞いたが「10年間同じことをしていると神さまからのご褒美がある」そうだ。
これからどんなご褒美があるか楽しみにしている。



2013年10月14日月曜日

研修講師の合間に 認知症介護をして

母が週3回のデイサービスでスタッフの助けで作成しただるま 
研修講師の合間に地方に住む母の介護に行っている。母は89歳、2年前にアルツハイマー型認知症と診断され現在要介護1である。中重度の認知症である母は一人暮らしをしているが金銭管理や食事の介護や日常的な介護はすぐ近くに住む姉が行っている。私はこの2年前から1・2か月間隔で仕事の合間に時間を見つけては母の介護のために実家に帰る生活をしている。その時の介護は家中のそうじとかたづけと食事の支度が中心だ。
 
中重度の認知症の母、トイレ・歩行・着替えなどは介助はいらない。そんな状態なら介助量は多くないと考えるかもしれないが介護する側の負担感と介護上のストレスは少なくない。たとえば炊飯器のふたを中身のごはんの確認、冷蔵庫の各とびらを開け中に入っている食品を見る確認行動の頻繁な繰り返し、昼ごはんを食べた直後に「今日の夕飯は何にする?」という質問の繰り返し、まだ暑いから閉めなくていいよという制止を無視した真夏の日の高いうちの雨戸閉め、5分ともたない同じことの質問の繰り返しなどあげればきりがない。それに対応する介護者はたまったものではないし、少しでも否定や拒否すると機嫌をそこねる。そればかりでなく、私を拒否したり非難したりすることも多い。母の性格は豹変したのかと驚くことが多いがそれも病気のなせる業と自分を抑える。姉も私も今まで食事を作ってもおいしいといってもらったことはないしありがとうと言ってもらったこともない。しかし姉を支援することを考えたら今の遠距離介護を続けることは欠かせない。しかしそろそろ施設入所をしたらどうかと姉には話している。

認知症の介護の困難さは、生活支援をすることよりも繰り返し発せられる言葉や行動への対応や介護者側の正論が通らず拒否や非難されることへの辛さであるといえる。その辛さに元気なころの母親とあまりにも変わってしまった今の母親を看ることの辛さが重なりなにかもやもやとしたやるせない感情が生まれる。しかしまた1か月後には母の介護のために新幹線に乗る私である。認知症の在宅介護の継続は、介護者の忍耐によるところが大きいとは何かやるせない気持ちになるのは私だけだろうか?

2013年10月9日水曜日

癌末期の利用者の在宅移行と看取りにバタバタ感

看取りのバタバタ感は看取りに対する家族の満足度が低いばかりか、訪問看護師は一生懸命看護したにもかかわらずターミナルケアの満足度も低くい、また短期決戦のため疲弊感も強くみられる。このような結果から残念ながら組織全体のモチベーションが低下し困っていると訴える管理者がいる。
なぜそのようなことになっているのか?を考えてみよう。

  1. 医療機関での在宅での看取りの準備は十分か?
  2. 退院時共同指導で在宅看取りの情報情報共有化と在宅看取りの経験者としての訪問看護師からの十分な説明がなされたか?
  3. 利用者や家族が在宅看取りを希望していても看取りに対する気持ちの「ゆらぎ」への訪問看護師としての対応は十分だったか?
  4. 特に家族に対し看取りのプロセスの説明をわかりやすくできたか?
  5. 家族が看取りのプロセスを十分理解し訪問看護師の協力で取り組もうとしていることを確認できているか?

 医療機関の師長以上のレベルが受講するセカンドレベルでの意見、在宅移行する癌末期患者の準備やその内容を聞くと、とにかく在宅に移行するなら今しかないということで退院調整することが多いこと、また在宅に移行後患者がどのようなプロセスを経たかについて思いを巡らすことはほとんどないということである。どのような転帰をたどったのかをフィードバックし無理のない在宅移行ができるようにすること。
退院時共同指導の場では、数多くの在宅看取りを経験した訪問看護師として在宅看取りでの訪問看護の役割を明らかに示し利用者や家族が安心して在宅移行できるよう支援すること。
在宅看取りを決めても、状態の変化等が家族に不安と混乱を引き起こすことは明白なので看取りのプロセスの十分な説明と在宅看取りが可能かどうかの確認は状態の変化に伴って必要である。

このような看取りができることでバタバタ感がやりがいに変えられ訪問看護師のモチベーションにつながっていくそんなステーションになるとよいですね!

2013年9月29日日曜日

10月号訪問看護と介護「訪問看護の胃ろうケア」

紅葉したもみじ、秋を感じますね!

9月下旬に発売になる10月号の「訪問看護と介護」は9月号に続き「訪問看護の胃ろうケア」の特集です。
掲載されているのは今年3月末締切だった懸賞論文の応募作です。

実は私もこの懸賞論文に応募しました。応募は論文でもエッセイでもとどんな形式でもよいということだったので迷った末に期日ギリギリにメールで提出しました。入賞はできませんでしたが、編集者から「訪問看護と介護」への掲載をと連絡をいただいたときは本当にうれしかったです。

「認知症高齢者に対する介護者による経口摂取の限界」この中で紹介されているアルツハイマー型認知症の千鶴子さんと介護者は実際訪問看護の現場で出会った方でです。認知症介護の困難な現状と胃瘻造設に至る経過での訪問看護の関わりを伝えたいと考えたからです。
ぜひ読んでください。

2013年9月16日月曜日

じぇじぇじぇ!在宅高齢者の栄養状態

盛岡で食べたさんまの刺身本当においしかった!
じぇじぇじぇの北の海女ー盛岡駅で










平成24年「在宅療養者の摂食状況・栄養状態に関する研究報告書」を読んだ。調査対象者は訪問診療・訪問看護・訪問リハなど訪問系サービスを受けている在宅療養者で食事摂取内容・量はもとより血液検査から栄養状態を調査している。訪問看護に参考になる情報として抜粋した項目は以下のとおり

  • 栄養状態にある者は約3割、低栄養状態の恐れありも約3割で合計すると半数以上は低栄養状態にある。
  • 栄養状態の悪化はADLの低下および認知症の悪化を招く。
  • 栄養状態の悪化は褥瘡だけでなく誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなり、調査の直近3か月以内に入院をしていた高齢者の約半数に窒息で入院の高齢者がいた。
  • 摘便や浣腸による強制的な排便は栄養状態の悪化を招く。
  • 通所介護の回数が多いと低栄養状態が多くなる。
  • 独居の高齢者より同居世帯が栄養状態悪い。
  • 年金収入が高くなるほど栄養摂取量が減少する傾向ある。
  • 一日の食費は500円から1000円が約3割だった。
  • 一日の水分摂取量はコップ3杯が約4割だった。
この調査結果から在宅で家族と同居している高齢者は多分1日3食十分に食べて栄養状態もよいと考えていたことが覆された。また経済・家族関係・ADL・IADL等さまざまなことが栄養状態に影響していることがわかった。訪問看護の利用者では必ずしも主治医が定期的にアルブミン等栄養状態の指標になるような血液検査を実施するとは限らないので、このような情報を訪問看護のアセスメントに加えることでより専門性の高い看護の提供及び高齢者へのきめ細かい栄養指導、さらに栄養障害等から発生する異常の早期発見につながる。

2013年9月7日土曜日

起業した訪問看護師たち 

9月1日から漁獲解禁になった伊勢海老を土鍋で炊いた炊き込みごはん「海老飯」
伊勢海老のだしが効いて最高においしい!あまりの美味しさにごはん2杯半食べちゃいました。緑は枝豆です。
9月7日土曜日宮崎県の管理者研修会があった。宮崎県の管理者研修会講師は財団時代を含め7年間担当している。

今回の研修会は、起業した管理者から起業に至る経緯を含めたプレゼンテーションが行われた。このような取り組みは今まで管理者研修会講師として行った県での実績はなく今回講師としても初めての経験だったので、管理者がどのようなプレゼンをしてくれるのかとても楽しみにしていた。なぜならば講師として様々な地方にいきそこで多くの管理者から個別で起業に至った経緯等を聞くことは多いが研修会の休憩の合間など本当に短い時間に限られる。そのため起業に至る管理者の精神的な揺らぎや悩みや起業に至る詳細を逐一聞くことができないこともありとても残念に思っていたからだ。

今回3名の起業家管理者のプレゼンを聞いた。そのなかで訪問看護ステーションを最初に立ち上げた管理者は1名であと2名は居宅介護支援事業所からあるいはショートステイ事業所からの出発し今やデイサービス、有料老人ホーム、ヘルパーステーション、宅老所、障害者デイサービス、介護タクシー、グループホーム、高齢者住宅紹介センターなど事業内容は多岐にわたっていた。借金の額は1億から10億円以上と訪問看護ステーション単独の起業で想像できる額をはるかに超えていたが、そんな借金を抱えながらも現状が楽しくてたまらない様子でそれぞれが明るい表情をしていた。傍から見ると訪問看護師として現場をこなしつつ経営も楽々とこなしているそんな管理者たちだった。

管理者にはいくつかの共通点があった。
  1. 自分のビジョンが明確であること
  2. ビジョンを実現するためのやり抜く強い意志をもちそのためにたゆまぬ工夫をしている
  3. 実現のための情報収集能力の高さと広さ深さを持っている
  4. ビジョン実現に向けた真摯さがある
  5. 小さな成功体験の積み重ねと身を持って得た成功体験を次の機会にいかしている
  6. 慢心や思い込みがなくいつも小心で神経質で石橋をたたいて渡るほどの気持ちで仕事をしている
  7. 自己開示(弱さや不足している部分を他者に表現できること)がたやすくできそれによって他者からの多くの支援を受けることができる
  8. 地域に深く根ざした多くの人脈をもっている
今から10数年前にはこのような管理者が出てくることなど想像できただろうか?このような管理者に会うと訪問看護業界の果てしない夢や希望が現実的でもっと身近なものになっていくように感じて頼もしい限りだ。


2013年8月26日月曜日

新潟県の管理者研修会で

8月24日新潟県の管理者研修会だった。
新潟県での管理者研修講師はなんと8年目!
受講生は管理者ばかりでなくこれから管理者になる看護師たち。

研修前の時間を使い新潟大学歯学総合病院総合周産期母子医療センター
NICU入院児支援コーディネーター看護師が「NICU入院児支援事業」の紹介と研修会の案内のプレゼンテーションをした。
この事業は新潟県の独自事業で、NICU入院児の在宅移行促進を目的とし平成23年から開始され現在2年目である。
1年目はNICUから在宅移行した小児とその家族への面談や行政保健師からの地域情報の収集と訪問看護現状把握アンケート実施。
2年目の平成24年は、退院調整のシステム構築、地域のネットワークの充実と小児の訪問看護の拡充のための研修会開催である。そして平成25年は各支援機関の連携強化と更なる訪問看護の拡充を目標としている。

新潟県のステーションへのアンケートによると、医療的ケアを必要とする小児の訪問看護の経験なしが約7割だった。経験なしの理由として多くを占めていたのは小児の訪問看護独特の理由「経験がない」「医療ケアの手技が難しい」「基礎疾患が小児特有であり対応が難しい」「家族との関係構築が難しい」などが約7割だった。今後の受け入れについては「今後も受け入れる予定はない」が約7割だった。

受講生の中には小児の訪問看護をしているステーションもあった。その中には小児看護の経験者がいるステーションもあったが、経験なしで受け入れているステーションもあり経験なしゆえの苦労もあるが研修受講や医療機関の医師や担当看護師から情報提供や具体的な指導を受けながらまたステーション内でのカンファレンスで情報共有するなど試行錯誤しながら実績を積んでいる。

ある調査結果では平成24年から25年にかけ小児の訪問看護利用者は3割増えている。新潟県のような取りくみはまだ少ないかもしれない。しかし先に述べた経験なしのステーションのような地道な取り組みが功を奏している可能性も否めない。小児を含めた経験の少ない対象への訪問看護の受け入れには、受け入れへの意欲と看護の創意と工夫が求められているのではないだろうか。




2013年8月19日月曜日

管理者研修受講の効果

ある研究報告書を読んだ。
管理者の平均在職年数が4年から6年と延びていること、
また管理者研修を受講した管理者は約7割と高率になっていること、そして経営・管理における裁量権があると答えた管理者は5割であることが明らかになった。

経営・運営の裁量権とは職員の採用や給与はもとより利益配分等に関しても、管理者が決めて実行できるのである。
10年くらい前ある管理者研修会に参加した管理者に経営・運営の裁量権を持っているか質問したときほとんど手が上がらなかったことを思い出した。

看護師自身がステーションを開設することが多くなっていることも裁量権が拡大した理由と考えることができるが、裁量権の拡大はこの10年間の大きな変化といえる。
裁量権があるということは、ステーションの経営上のフリーハンドを持つことになる。

管理者研修受講を受けている管理者は受講していない管理者よりも裁量権があることも明らかにしている。まさに学習効果が出ているということになる。
管理者研修の講師をしている者として嬉しい限りである。

2013年8月8日木曜日

どうなる来年度以降

最近新聞の一面を賑している記事の中で訪問看護に関係ありそうな内容は
  • 70歳から74歳までの高齢者の医療保険一部負担金の特例措置の廃止
  • 介護保険では一定以上の所得のある利用者負担金の引き上げ
  • 要支援者の市町村事業への段階的な移行
  • 消費税率の変更による介護報酬の見直し
以上の4項目ではないでしょうか。
来年度以降実施されるかどうかは、今後様々な調査や検討等が行われますが、まずは新聞の一面に記事を掲載し国民の反応をみているのが本当のところです。

いずれにせよみなさんが関わっているあるいはこれから訪問看護利用者になる方たちが直接影響を受ける内容です。
今後の情報を注視しましょう。

2013年7月31日水曜日

地域包括ケアシステムと訪問看護

7月29日霞が関イイノホールで2025年に向けた新しい地域づくりと題したシンポジュウムが開催された。

老健局の局長が、国の施策としての地域包括ケアシステム構築について講演した。
介護保険をとりまく現状、増加する認知症、単独世帯や高齢者世帯の増加、都市の急速な高齢化への対策のため地域ケアシステム構築を進めていくこと、そのため2015年からの第6期介護保険事業計画策定に向けた様々な調査を2014年に市町村で実施予定でその準備段階にある。

特に都市の急速な高齢化は衝撃的だった。
2010年当時75歳以上の高齢者人口の比率が10%以下の埼玉県や千葉県、神奈川県、大阪府、東京都などの大都市が2025年には約2倍になる。それだけ大都市には団塊の世代の人口が集中しているということである。

これらのことから今後訪問看護を必要とする人口は増え続けていくのがよくわかる。このような時代を見据えてより多くの人に訪問看護を提供できるシステムづくりである。
ひとつはステーションの大規模化であり、また多様な対象者が満足できる看護が求められている。

2013年7月23日火曜日

訪問看護ステーション在宅療養支援診療所を開設する

訪問看護ステーションの開設が多くなっています。
それとともに大規模化したステーションの多機能化も進んでいます。療養通所介護だけでなく看取りを中心としたナーシングホームや看護師配置を多くし医療依存度の高い利用者を積極的に受け入れることができる通所施設,小規模多機能サービスへの併設などです。

訪問看護の提供だけでは利用者の在宅支援はできないと痛感した訪問看護師の発想がステーションの多機能化を推進していることが窺えます。

この秋横浜市のあるステーションでは、医師を雇用し在宅療養支援診療所を開設します。
ステーションが医師を雇うってすごくないですか?
在宅療養支援診療所のステーションの併設はよくあるパターンですが、その逆です。

訪問看護を提供するうえで訪問看護指示書にはじまり連携上医師の存在は極めて重要といえますが、このステーションではステーション側が医師を雇い今以上に円滑な連携関係を構築し在宅療養支援することを目指しているのです。
このような医師との良好な関係の構築は、利用者が安心で安全な療養ができるというのだという大きな安心感を与えことができるます。なぜなら法人内に職員としての医師がいること、そして訪問看護との協働・連携が確立することにより重症度の高い利用者の在宅療養できるからです。

しかし当然のことながらステーションの発想で在宅療養支援診療所を開設するのですから、医師の給与と診療所の運営にかかる費用を捻出できるだけの利益をだすことが求められています。ステーションの管理者としての正念場です。このような管理者の登場は次世代の管理者像ではないかと考えます。

2013年7月16日火曜日

訪問看護の役割

本当に暑い毎日が続いています。
訪問看護の利用者さんの脱水症や汗疹など皮膚病などの発生や悪化などが心配です。
 
こんな時、訪問看護の役割を果たすことが求められています。

訪問看護の利用者ができるだけ長い期間自宅にいたいと思っていることを訪問看護師のみなさんは日々の訪問看護のなかで承知していますし、脱水症等気候の変化の影響を受け状態が悪化し入院した場合、ADLの低下など利用者にとって不利益な結果を招くことになってしまいます。
訪問看護のおもな役割として、危機の予測と回避あります。ですからこの暑さが利用者に与える影響を予測し対処することが求められています。

これはある訪問看護ステーションのエピソードですが
「夏の時期に脱水症で入院してしまう利用者が多いため
利用者数と訪問件数の変動が激しく事業収入が激減してしまいます。どのようにしたらよいでしょうか?」という質問が経営状況に悩む管理者からありました。
一言でいえば訪問看護の役割を果たしましょう!ということになります。
訪問看護での利用者の状態のアセスメント・予測と回避するための看護師としての早期の対応ということです。それをするために日々の訪問看護をしているのですから・・・・

2013年7月9日火曜日

増えてますか?介護報酬

報酬改定後介護報酬は増えましたか?
介護保険の利用者は依頼も多く訪問件数も増え、ステーションは忙しくなっているのに・・・
こんなステーションはないですか?

平成24年4月と平成25年4月の介護報酬給付を比較して驚きました。というのは、訪問回数の比較では4割以上増えているのに、介護報酬つまり給付の単位数は増えていないのです。

そこで訪問回数の内訳をみましたが、まず目につくのが短時間の訪問看護の増加です。60分の訪問看護が減少し30分の訪問看護割合が増加していること、次は訪問看護回数全体でPT等による訪問看護の割合が平成24年4月では2割程度だったのが倍になっています。これはステーションにPT等のリハ職員が増えているといえますしそれ自体は歓迎すべき状況といえます。しかし問題はリハ職員による短時間の訪問看護が増えていることです。実際1回40分未満の短い訪問看護回数の割合が平成24年4月は3割弱でしたが平成25年4月では2倍の6割と増えていました。その結果訪問回数は増えても介護報酬の請求額は増えないことが考えられます。

以上の二つの状況からみて、忙しくても介護報酬が今一つという結果になっていると考えられます。今一度考え介護報酬の見直しをしてみてください。

2013年7月1日月曜日

退院時共同指導の算定

平成24年ダブル改定から1年が経過し報酬は上がり、また訪問看護ステーション数が増加するなど、訪問看護の業界にとっては明るい兆しがみえていますが、
みなさんのステーションの経営状況はいかがですか?

昨年の報酬改定では、報酬本体というよりも加算の算定要件の緩和や加算の新設などが多かったのが印象的だったけれど、加算もれなく算定できていますか?

全国訪問看護事業協会の平成24年度「訪問看護ステーションの基盤強化に関する調査研究事業報告書」を読んだ。訪問看護支援事業参加ステーションに限った調査だが、加算の算定状況に関する興味深い調査結果が出ていました。

介護保険利用者の退院時共同指導が算定可能になった。退院時共同指導は利用者が退院し訪問看護費が発生しなければ算定できないけれど、その算定率がなんと4割程度。
他に新設された初回加算は8割以上なので、算定率は低いといえます。
介護保険利用者の退院時にも医療機関に出向いてカンファランスしているということで、現場のみなさんからの長年の要望により新設されたはずなのに・・・

医療機関の担当者に周知されていないのなら、お知らせすることは大事。
まさか内容を文書化し医療機関と利用者に渡すことができないために算定できないってことはないですよね?文書化できないでために算定していないことは実際に全国で聞いています。医療保険の退院時共同指導の算定率が3割強ということからみても文書化がネックになっていることが推測できます。

簡単に文書化できる書式があります。[退院時共同指導説明書]の名称で日本訪問看護財団で売っていますから、さっそく購入して算定してください。

2013年6月24日月曜日

特定看護師について考えたこと

少し前になりますが、日本経済新聞夕刊で特定看護師の法制化への期待と題した記事が掲載されていました。

すでに特定看護師のモデル事業を先行導入した医療機関での現状の記事でした。先行導入した医療機関では「忙しい医師の負担の減少」「説明が丁寧だった」などのよい評判があったと書かれていました。

「説明が丁寧だった」は患者さんに看護師がわかりやすい言葉で病状等の説明することで十分な理解を得、その結果安心して治療を受けることができたのはよかったといえます。それは患者さんに近い存在としての看護師だからこそできることだといえます。
次の評価「忙しい医師の負担の減少」ですが、特定看護師は医師の指示に基づいて行っていた医療行為の一部を指示なしで看護師としての判断に基づいて行うことができす。ですから特定看護師として行った行為が結果として「忙しい医師の負担の減少」になることもあると思いますが、特定看護師の実施した看護そのものに対する評価があればもっとよかったのにと思いました。


2013年6月17日月曜日

IT関連会社 訪問看護ステーションを開設する

3月に続き異業種で訪問看護ステーション立ち上げ予定者のための研修会があった。
集まったのは約50名。
そのほとんどがステーション開設者と管理者のペアの参加だった。
IT関連会社や建材業の会社など訪問看護とは縁のないような会社の社長さんが訪問看護について4時間にわたり学習するのである。
今まで開設セミナー等に病院長と管理者、あるいは理事長と管理者のペアでの参加は非常に少なかったことを考えるとこれは驚き!

参加者のひとりであるIT関連会社の社長さんにステーション開設の理由をきいたところ、お母様を在宅で看取りその時に訪問看護を利用したことがきっかけになったそうだ。
もしかしたら、こんなエピソードからジワリジワリ訪問看護がひろがっていくのかもしれないと感じた。




2013年6月10日月曜日

訪問看護ステーション増加

 雨の少ない梅雨ですが、きれいに咲いている紫陽花の写真。


毎年全国訪問看護事業協会が全国の訪問看護ステーション数調査を実施している。今年も調査結果が出た。

平成12年から24年までステーション数は5,000か所後半を行ったり来たりしていた。平成24年やっと6,000か所以上になり増加の兆しが見えてきた。
平成24年4月1日の稼働数6,298か所だったが平成25年の4月1日6,801か所で503か所増加した。この割合で増加した場合5年で9,000か所以上になると推測できる。

増加した県の特徴は大都市を抱えており、神奈川県横浜市のある区は3か所から7か所と倍増した。
昨年の報酬改定の影響が大いにあり、訪問看護に手厚い報酬が保障されている訪問看護事業に新規参入する株式会社等、すでに参入している株式会社等がステーション数を増やすなどの取組を加速させている。こうなると開設主体別の割合を示すグラフに変化が現れる日も近いのかもしれない。

2013年6月3日月曜日

終末期医療意識調査

10代から90代の約5000人を対象としたインターネットによる調査。
行ったのは「高齢社会をよくする女性の会」。調査結果は興味深いものであった。

意思表示ができない状態で治る見込みのないほど悪化した場合
心肺蘇生、人工呼吸器、胃瘻、経鼻栄養を望まない人が7割を超えていることがわかった。
看取り経験者では心肺蘇生、人工呼吸器、胃瘻、経鼻栄養を望まない人が8割以上であることがわかった。医師や看護師も望まぬ傾向があることがわかった。

調査結果では終末期に望む医療を家族に伝えている人は2割だった。
昨今エンディングノートを作成することが勧められている。
エンディングノート作成してもよいが、常々親近者に終末期への対応についてきちんと話しておくことも大切と考える。

訪問看護師は家族や利用者本人から看取りについての相談を受ける機会が多く、専門職としての意見や判断を求められることも多い。
もちろん利用者等の状態や周囲の状況に違いがあるが、このような調査結果を情報として把握していることで利用者や家族への対応に役立てることができる。

2013年5月22日水曜日

最後の食事

5月22日NHKクローズアップ現代見ました?
末期の患者が最後に望む食事の提供についての内容でした。
対象者は入院患者。
食べたい食事が何かを管理栄養士が聞き取りその願いを叶えるのです。
これは医療機関で行われていることのほんの一部の内容です。医療機関の従来の看取りではなく患者の意向に沿った看取りの実現に向けた取り組みといえます。

番組をみていてそうだ!と思いだしました。
訪問看護師時代に終末期の利用者の願いを聞きその実現のために医師や他職種と連携し
「外出したい」という利用者「絵に雅号を入れたい」という画家、「毎日入浴したい」という全身骨メタの利用者「胃瘻だけど口から大好きなカニを食べたい」
やりたいことや食べたいもの様々な要望があったけれど、なんとか最後の願いを叶えることができたこと。

在宅では入院よりもっと自由に終末期の利用者の様々な最後の願いを叶えることが可能といえます。
家で看取られることだけが利用者と家族のゴールではないのです。家だからこそできることや実現したいことがあるはずです。訪問看護師として利用者の願いを「看護の力で」叶えることが訪問看護の満足度を高めることに直結します\。




2013年5月20日月曜日

日本在宅看護学会主催セミナー

5月18日土曜日
日本在宅看護学会主催のセミナーに参加するため
大田区大森にある東邦大学看護学部にいった。

「訪問看護師のキャリア開発」のセミナーだった。
財団にいた当時は訪問看護サミッ等で事務局側としてセミナー会場にいたことはあったが
研修講師を生業としてから約10年
自らの意思でセミナーを受講したのは初めてかも?

受講生として受付にいき当日受付をした。
受付の方から「萩原先生ですよね?」と言われた。
会場内で数名の訪問看護認定看護師や研修会で顔見知りの訪問看護師から声をかけられたが
みんな「なぜここにいるのか?」と不思議な表情をしていた。
「今日は受講生です。よろしくね」と答えながら苦笑いしてしまった。

60名ほどの受講生は訪問看護師・管理者や看護学部の教員だった。
訪問看護ステーションでの人材育成あり方と在宅看護教育の現状について学習した。
現場での課題について1時間余りのグループワークは白熱した。

現場の課題は同じでも独自の解決策で対応できているステーションは成果があがっていた。






2013年5月16日木曜日

訪問看護への支援

花壇の満開の花
新潟県や富山県等で研修会の事業費やコンサルテーション費用を支援するなどの取組みを経年にわたり実施していますが、島根県では今年度から訪問看護ステーションに独自の支援が始まりました。
具体的には訪問看護の車の購入費50万円の助成と訪問看護師の新雇用助成に30万円です。全体の予算は1千万円で20事業所を対象としています。

島根県は中山間地域が多く1日で訪問できる件数が少ないため赤字経営による訪問看護ステーションの撤退があり在宅支援力の低下が見られているそうです。そこで訪問看護車の購入支援や訪問看護師の人材確保に直接支援することで訪問看護ステーション数の減少を防ごうとしています。

その一方では、今まで県からの研修費で実施していた管理者研修会が県の予算が削られたという理由により開催されなくなったり、予算の削減で研修期間や時間が短縮されたりしています。
本当に残念なことです。

約9年間管理者研修の講師として、管理者の育成は管理者としての就業期間が4~5年と短くその間で教育し成果をだしていくことは厳しいと言わざるを得ません。島根県のように現物支給のような形で支援する方法とともに、研修やコンサルテーションのようにな支援方法が予算の問題で削減されることなく継続されていくことが今後の訪問看護の充実につながるのではないでしょうか?

2013年5月8日水曜日

訪問看護師のストレス

「訪問看護師のストレスに関する研究」報告書によると、訪問看護師がどのようなことにストレスを感じているのか調査しその結果
  1. 一人で判断すること
  2. 利用者との価値観のずれがストレスの要因になっていることがわかりました。
訪問看護は看護師が一人で訪問し利用者のフィジカルアセスメントや療養環境・介護状況アセスメント等を行いその場で即座に判断することが求められています。でも訪問看護にやりがいを感じるのは適切な看護判断に基づいた看護実践ができたときではないでしょうか?そう考えるとやりがいとストレスは表裏一体ということになります。
ではストレスをやりがいにするには、適切な看護判断ができること、看護判断に基づいた看護実践ができることになります。そのためにはフィジカルアセスメントの学習とアセスメントに基づく確実な看護スキルの習得これらが自信を持ってできれば一人で判断することのストレスは軽減できるはずです。また複数名訪問看護加算の算定が可能な利用者には複数名で訪問することもストレス軽減につながります。

利用者との価値観のずれですが、生きてきた時代や場所、家庭環境等が異なることでその人の持つ価値観も違うのは当然です。感じているずれが少なくなるようにするには、話し合うことつまりコミュニケーションが大切といえます。話すことで互いの理解が深まり、利用者との人間関係も良くなります。


2013年4月22日月曜日

研修会での衝撃的発言

4月13日、新潟県看護協会「訪問看護従事者研修会実践編」でした。

85名の参加者でそのほとんどが現場の訪問看護師です。

訪問看護の経験年数は3年未満がほとんどです。なかには医療機関の病棟や外来で働いている看護師もいました。
訪問看護を知るために受講した、また訪問看護に興味があり受講したなどの動機です。

写真は研修会でのグループワークの様子です。
昨年の報酬改定後の訪問看護ステーションの現状を話あいました。その後内容を発表してもらいました。
その中で外来にいる看護師から「訪問看護が何をしてくれるのかわからない」「訪問看護につなげる方法がわからない」こんな発言がありました。

一般の人達の訪問看護の認知度が低くいことは、今まで研修の中で何度も伝えてきましたが、医療機関の看護師からの発言には受講生も衝撃を受けていました。

訪問看護していると誰で特に看護職なら当然知っていると思いがちですが、同じ看護師であっても訪問看護を知らないこともあります。
もっと訪問看護を知ってもらい必要な時必要な対象者につながるようにするために、訪問看護を理解してもらうための努力を惜しんではならないのです。

2013年3月31日日曜日

異業種の訪問看護事業参入

3月中旬異業種の法人向け研修会の講師をした。
参加者は60人以上だった。

異業種とは今までの訪問看護ステーション開設主体だった医療法人・福祉法人等ではなく、不動産会社・ビル管理会社・介護関連会社などである。なんと製麺会社も参加していた。ある経営者の「訪問看護事業はずいぶん官僚的ですね!国の報酬を得ているからなんですかね?」といった言葉が印象的だった。。
異業種がなぜ訪問看護事業に参入するのかその理由を聞いた。
かえってきた答えは、「社会貢献したい」「国が推進しようとしている事業なので利益を得ることができるのでは?」などである。

富山県では今年4月に学校法人が訪問看護ステーションを開設する。
さまざまな法人がビジネスチャンスとして訪問看護ステーション参入を考えている。訪問看護の業界にとってメリットがあるのか考えてみた。

  1. 停滞している訪問看護ステーション数が増える
  2. 競争原理が働くことで質の確保につながる
  3. 看護師が異業種の経営者との連携で経営のノウハウを学べる
  4. 開設にかかる資金繰りの負担軽減が図れる
  5. 看護の専門性がより鮮明になる
などが考えられる。

昨年の開設主体別の統計では、株式会社等の営利法人が全体の26%以上を占めており、ここ数年間で急増している。この数字の中には看護職が法人設立し経営者になっている法人も含まれているが、減少する医療法人・福祉法人等と比べて勢いを感じる。もしかしたら今後の訪問看護業界を元気にするのは異業種とのコラボレーションかもしれない。



2013年3月17日日曜日

早咲きの桜

17日家の近くで早咲きの桜を見つけました。
なんと満開!
うれしくなって思わず携帯写メしました。
昨年の冬が寒かったので例年どおりの開花になると桜の開花予想を聞いても正直信じられませんでしたが早咲きの桜をみて春がきていると実感じました。

幼稚園の庭にある白モクレンの花。
この白モクレンは15日地域実習指導者研修会の講師で東京都立川市に行ったとき春とはいえ冷たい空気につつまれながら懸命に咲いているなと感じて携帯でパチリ!




道端の花壇の花です。通りがかりに見つけました。少し視点を変えてみると春の足音をで感じることができます。




訪問看護の途中で春を探してみませんか、日ごろの疲れもとれるかもしれませんよ!








2013年3月12日火曜日

今一度考えたいヘルパーとの連携

昨年の報酬改定で定期巡回・随時対応型訪問介護看護、複合型サービスが創設されるなど今まで以上にヘルパーと訪問看護師との連携が重要になっています。

昨年のヘルパー協会の調査では「訪問看護師との連携ができていない」が約55%でした。
今まで訪問看護師もヘルパーとの連携重視し研修等でも学びを深めており少しづつよくなっているように感じていたので、この調査結果には驚きました。連携がうまくいっていない理由は「サービス提供者として対等な扱いでない」「看護師の処置の後片付けをさせられている」などがあげられていた。

ある調査では褥瘡の発見はヘルパーが介護者や訪問看護師より早いことがわかっています。実際連携がうまくいっているヘルパーから得た情報により利用者の異常の早期発見につながった経験もあるでしょう。連携の重要性は明らかです。

連携がうまくいかないことの弊害は利用者にいきます。これは利用者のことを第一に考える訪問看護師にとって手痛いことではありませんか?ヘルパーも介護するうえで利用者を第一に考えていすことは言うまでもありません。

利用者に最善の介護と看護を提供することが連携の目的です。そのためにお互いが情報共有・交換すること、それは良好なコミュニケーションから生まれてきます。お互いの役割を尊重しあいながらよく話し合いながら協働ましょう!





2013年2月27日水曜日

お雛雅

もうすぐ3月というのに、寒い毎日が続きつらいなと感じ、気分転換のつもりで久しぶりにひな人形を飾ってみたら不思議なことに春めいた気分になりました。ちょっとしたことで気分が変わるものですね!


さて訪問看護ステーションのみなさんは年度末になり平成24年度のまとめをする時期ですね!今年の年度末は報酬改定もないので落ち着いていることと思います。


報酬改定後1年が経過したところで、みなさんのステーションの経営状況はいかがですか?報酬アップの経営への恩恵は十分ですか?「赤字が黒字になった」「前年度より10%以上の増収だった」などまずは経営状態の変化を把握しましょう。
その結果によっては職員への特別賞与や次年度への設備投資等に反映するための交渉の資料作成をしたらいかがですか!


2013年2月17日日曜日

沖縄県管理者研修会

 2月16日は沖縄県訪問看護ステーション連絡協議会の管理者研修会でした。写真はホテルから写した沖縄県庁です。写真では小さくて見えませんが、3階窓際にはシーサーの置物が数体飾られています。沖縄は気温は24度くらいでとても暖かく、空港についた瞬間体がほぐれていきました。これが癒されるということなのでしょうか!
 
 研修会前日に数人の訪問看護ステーション管理者と食事をしました。元気いっぱいの管理者たちでしたが「先生私たちこんなにがんばっているのに訪問看護はなぜメジャーではないのですか?」「静岡県浜松市にある聖隷事業団のステーションが沖縄に進出してくるんですが、どう対応したらよいですか?」など矢継ぎ早に質問されました。各地にいくと本当にその地域でしか得ることのできない情報や、その地域の管理者たちの考えていることが鮮明になり本当に勉強になります。
 
 また管理者の日常を聞くこともできます。ある管理者は朝早く出勤し夜遅くまで働き看取りでは夜中に家を出ていくなどフレキシブルな働きぶりです。その様子をみた子供から「そんなに働いてお母さん仕事楽しい?」と究極の質問をうけるそうです。その答えは間髪なしに「楽しいよ!」。子供と写メを見せ合う時「お母さんの写メはおもしろくない。だってお年寄りのおしりや背中の写真ばかりだから」といわれ苦笑したそうです。たしかに子供には利用者の褥瘡の写メはおもしろくないですよね!こんな会話で大笑い。笑いあう管理者達は互いに共感しあっていました。
 
 
 
 
 
 

2013年2月5日火曜日

看護師の大先輩 新島八重

毎週日曜のNHKの大河ドラマ「八重の桜」見てますか?

主人公の新島八重は、私たちと無縁の人ではありません。
なぜならば、日本で医師以外が開設した看護学校の創設者だからです。
新島八重は新島襄と結婚したのち同志社大学を開学しましたが、新島襄の没後日清・日露戦争のとき特使看護婦として従軍し看護婦の取締役としてけが人の看護を行っただけでなく、看護婦の地位向上にも努め日本で二番目となる「京都看病婦教育所」を設立しました。

日本で最初に設立された看護婦学校は医師(高木兼寛)によるもので、女性としてまた従軍看護婦として傷病兵の看護にあたった新島八重が看護婦学校を設立したことは看護の歴史上極めて大きなことといえます。

私たち看護職の大先輩といえる新島八重の生涯をドラマ化した「八重の桜」今後の展開が楽しみですね!

2013年1月17日木曜日

認知症地域支援推進員

1月16日認知症地域支援推進員研修検討委員会の第1回委員会に出席しました。
訪問看護師のみなさん、「認知症地域支援推進員」について知っていますか?
もしかしたらみなさんの地域にいるかもしれませんよ。

「認知症地域支援推進員」は昨年に厚生労働省が出したオレンジプランといわれる認知症施策推進5か年計画で地域での日常生活・家族の支援を中心的に行う役割を担っています。将来的には5つの中学校区に一人を配置することになっており、5年後には700人を養成する予定です。
認知症地域支援推進員のバックグラウンドですが、行政職を含む地域包括支援センター職員が中心で介護支援専門員と保健師および看護師の資格をもつ専門職が多くなっています。
認知症患者の在宅介護に向けて地域の住民をはじめ保健・医療・福祉の専門職との連携を行い認知症患者や家族の在宅介護支援を行います。

以前のコラムでも認知症の患者への訪問看護の重要性について書きましたが、「認知症地域支援推進員」の今後の活動を含め、オレンジプランの方向性を訪問看護師として注視していくことが重要と考えます。

2013年1月4日金曜日

明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。

訪問看護師の教育支援を専門とする「オフィス萩原」、法人として3回目のお正月を迎えることができました。本当に感謝しています。
3回目のお正月を迎えることができたのも、全国の看護協会及び訪問看護ステーション連絡協議会、地域の訪問看護ステーションの皆様が講師依頼をしてくださったおかげです。

政府を担当する政党も変わりました。そして来年は医療保険の報酬改定の年です。どのような方向に行くのかはまだ見えていませんが、アンテナを高くし訪問看護の動向を見据えていきます。
このコラムで報酬改定を含む訪問看護関連の新しい情報をお伝えしていきます。

今年も全国の訪問看護師および訪問看護ステーション管理者の教育ために東奔西走いたしますので、よろしくお願いします。