2013年7月31日水曜日

地域包括ケアシステムと訪問看護

7月29日霞が関イイノホールで2025年に向けた新しい地域づくりと題したシンポジュウムが開催された。

老健局の局長が、国の施策としての地域包括ケアシステム構築について講演した。
介護保険をとりまく現状、増加する認知症、単独世帯や高齢者世帯の増加、都市の急速な高齢化への対策のため地域ケアシステム構築を進めていくこと、そのため2015年からの第6期介護保険事業計画策定に向けた様々な調査を2014年に市町村で実施予定でその準備段階にある。

特に都市の急速な高齢化は衝撃的だった。
2010年当時75歳以上の高齢者人口の比率が10%以下の埼玉県や千葉県、神奈川県、大阪府、東京都などの大都市が2025年には約2倍になる。それだけ大都市には団塊の世代の人口が集中しているということである。

これらのことから今後訪問看護を必要とする人口は増え続けていくのがよくわかる。このような時代を見据えてより多くの人に訪問看護を提供できるシステムづくりである。
ひとつはステーションの大規模化であり、また多様な対象者が満足できる看護が求められている。

2013年7月23日火曜日

訪問看護ステーション在宅療養支援診療所を開設する

訪問看護ステーションの開設が多くなっています。
それとともに大規模化したステーションの多機能化も進んでいます。療養通所介護だけでなく看取りを中心としたナーシングホームや看護師配置を多くし医療依存度の高い利用者を積極的に受け入れることができる通所施設,小規模多機能サービスへの併設などです。

訪問看護の提供だけでは利用者の在宅支援はできないと痛感した訪問看護師の発想がステーションの多機能化を推進していることが窺えます。

この秋横浜市のあるステーションでは、医師を雇用し在宅療養支援診療所を開設します。
ステーションが医師を雇うってすごくないですか?
在宅療養支援診療所のステーションの併設はよくあるパターンですが、その逆です。

訪問看護を提供するうえで訪問看護指示書にはじまり連携上医師の存在は極めて重要といえますが、このステーションではステーション側が医師を雇い今以上に円滑な連携関係を構築し在宅療養支援することを目指しているのです。
このような医師との良好な関係の構築は、利用者が安心で安全な療養ができるというのだという大きな安心感を与えことができるます。なぜなら法人内に職員としての医師がいること、そして訪問看護との協働・連携が確立することにより重症度の高い利用者の在宅療養できるからです。

しかし当然のことながらステーションの発想で在宅療養支援診療所を開設するのですから、医師の給与と診療所の運営にかかる費用を捻出できるだけの利益をだすことが求められています。ステーションの管理者としての正念場です。このような管理者の登場は次世代の管理者像ではないかと考えます。

2013年7月16日火曜日

訪問看護の役割

本当に暑い毎日が続いています。
訪問看護の利用者さんの脱水症や汗疹など皮膚病などの発生や悪化などが心配です。
 
こんな時、訪問看護の役割を果たすことが求められています。

訪問看護の利用者ができるだけ長い期間自宅にいたいと思っていることを訪問看護師のみなさんは日々の訪問看護のなかで承知していますし、脱水症等気候の変化の影響を受け状態が悪化し入院した場合、ADLの低下など利用者にとって不利益な結果を招くことになってしまいます。
訪問看護のおもな役割として、危機の予測と回避あります。ですからこの暑さが利用者に与える影響を予測し対処することが求められています。

これはある訪問看護ステーションのエピソードですが
「夏の時期に脱水症で入院してしまう利用者が多いため
利用者数と訪問件数の変動が激しく事業収入が激減してしまいます。どのようにしたらよいでしょうか?」という質問が経営状況に悩む管理者からありました。
一言でいえば訪問看護の役割を果たしましょう!ということになります。
訪問看護での利用者の状態のアセスメント・予測と回避するための看護師としての早期の対応ということです。それをするために日々の訪問看護をしているのですから・・・・

2013年7月9日火曜日

増えてますか?介護報酬

報酬改定後介護報酬は増えましたか?
介護保険の利用者は依頼も多く訪問件数も増え、ステーションは忙しくなっているのに・・・
こんなステーションはないですか?

平成24年4月と平成25年4月の介護報酬給付を比較して驚きました。というのは、訪問回数の比較では4割以上増えているのに、介護報酬つまり給付の単位数は増えていないのです。

そこで訪問回数の内訳をみましたが、まず目につくのが短時間の訪問看護の増加です。60分の訪問看護が減少し30分の訪問看護割合が増加していること、次は訪問看護回数全体でPT等による訪問看護の割合が平成24年4月では2割程度だったのが倍になっています。これはステーションにPT等のリハ職員が増えているといえますしそれ自体は歓迎すべき状況といえます。しかし問題はリハ職員による短時間の訪問看護が増えていることです。実際1回40分未満の短い訪問看護回数の割合が平成24年4月は3割弱でしたが平成25年4月では2倍の6割と増えていました。その結果訪問回数は増えても介護報酬の請求額は増えないことが考えられます。

以上の二つの状況からみて、忙しくても介護報酬が今一つという結果になっていると考えられます。今一度考え介護報酬の見直しをしてみてください。

2013年7月1日月曜日

退院時共同指導の算定

平成24年ダブル改定から1年が経過し報酬は上がり、また訪問看護ステーション数が増加するなど、訪問看護の業界にとっては明るい兆しがみえていますが、
みなさんのステーションの経営状況はいかがですか?

昨年の報酬改定では、報酬本体というよりも加算の算定要件の緩和や加算の新設などが多かったのが印象的だったけれど、加算もれなく算定できていますか?

全国訪問看護事業協会の平成24年度「訪問看護ステーションの基盤強化に関する調査研究事業報告書」を読んだ。訪問看護支援事業参加ステーションに限った調査だが、加算の算定状況に関する興味深い調査結果が出ていました。

介護保険利用者の退院時共同指導が算定可能になった。退院時共同指導は利用者が退院し訪問看護費が発生しなければ算定できないけれど、その算定率がなんと4割程度。
他に新設された初回加算は8割以上なので、算定率は低いといえます。
介護保険利用者の退院時にも医療機関に出向いてカンファランスしているということで、現場のみなさんからの長年の要望により新設されたはずなのに・・・

医療機関の担当者に周知されていないのなら、お知らせすることは大事。
まさか内容を文書化し医療機関と利用者に渡すことができないために算定できないってことはないですよね?文書化できないでために算定していないことは実際に全国で聞いています。医療保険の退院時共同指導の算定率が3割強ということからみても文書化がネックになっていることが推測できます。

簡単に文書化できる書式があります。[退院時共同指導説明書]の名称で日本訪問看護財団で売っていますから、さっそく購入して算定してください。