2020年12月30日水曜日

介護報酬改定 今、審議されていること

介護報酬改定の審議がすすんでいる。

  • 退院当日の訪問看護の拡大である。  
退 院・退所当日の訪問看護について、現行の特別管理加算の対象者に加えて、診療報酬上の取扱いと同様に、主治医が必要と認める場合は 算定を可能とする。 現状では退院時の訪問看護特別指示書による訪問看護もできるが、それだけではなく医師が必要と認めた場合に算定可能となるようだ。
  • 看護体制強化加算の見直し  
 訪問看護の看護体制強化加算について、医療ニーズのある要介護者等の 在宅療養を支える環境を整える観点や訪問看護の機能強化を図る観点から、 以下の見直しを行う。 「特別管理加算を算定割合 30%以上」 の要件を、「20%以上」に見直す。看護体制強化加算(Ⅰ)及び(Ⅱ)並びに介護予防訪問看護の看護体制強化加算の評価の見直しを行う。 サービスの継続性に配慮しつつ、指定(介護予防)訪問看護の提供に当たる従業員に占める看護職員の割合を6割以上とする要件を新たに設ける。その際、2年の経過措置期間を設けることとする。

12月現在の審議内容である。

管理者の皆さん、来年度の介護報酬改定に備えるために何をするか考えましょう。

2020年12月6日日曜日

オンライン研修・オンラインコンサル

今年度はコロナ感染症の影響で研修は半減した。

このところ来年度の研修講師依頼があるなかで「オンライン研修でお願いしたい。」が増えている。見通しが立たない中で来年度の研修開催は頭の痛いこと。だからといって訪問看護師や訪問看護ステーション管理者の学ぶ機会が妨げられること。これは避けなければならない。

訪問看護関連の研修は県の事業として実施していることが多いため、コロナ感染症の影響で来年度の税収が減少が見込まれるため、県の訪問看護関連の予算が減ることが考えられる。そこでオンライン研修ならば、Wi-Fi環境整備やZoomなどのライセンス取得ができれば可能で、かつ交通費や宿泊費は不要になり研修開催の予算を切り詰めることができるのでは!?。

コンサルも同様。交通費と日帰りできない遠方だと宿泊費も生じるが、オンラインコンサルならばコンサル料金だけで済む。

これからの研修やコンサルのありかたとなるかも?

 

2020年11月17日火曜日

訪問看護のリモートワーク

 

見ごろの紅葉。赤と黄色と緑のコントラストがきれい!

気温が下がり始めた途端、新型コロナ感染者数が増えてきた。Gotoトラベルで出かける人たちが増えていることも影響しているだろう。また飲食する機会が増えたこともあるだろう。今まで感染者数が「0」になったことがない状況で今後どこまで増えていくのかと心配になる。

そこで「訪問看護ステーションでのリモートワークはすすんでいますか?」すでにリモートワークをすすめている訪問看護ステーションも多くなっていますよ。

利用者への訪問看護の提供はリモート化はできないけれど、他の業務のリモートはICTで可能になっている。


まずはICT化ができていれば直行直帰可能な体制ができ、ステーション内での3密回避ができる。他職種との連携はリモートによる会議。そして訪問看護業務で看護実践の次に大きな割合を占める日々の記録や計画書及び報告書作成、管理者への報告情報共有のための申し送りやカンファレンスのリモート化である。

「ICT化加速化支援事業」を使うことでリモートワークを勧めることができますよ!申請しましたか?


2020年11月2日月曜日

令和2年介護経営実態調査から

 

ドライフラワーのクリスマスリース。早いものですね。

令和3年度介護報酬改定に向けての審議が行われている。資料になっているのが介護経営実態調査である。調査は今年の5月に実施され、令和元年決算を反映した内容である。

訪問看護ステーションは1.5%の黒字だった。ちなみに訪問看護1件の単価は8,056円で経費は7,700円。1件の訪問看護で356円の収入となる。ちなみに356円×1日4件の訪問看護=1,424円×看護師3人で計算すると1日4,272円の収入になる。

単価を高くすれば訪問看護1件当たりの利益を高くできる。それには単価を上げるしかないのだ。単価を上げる方法は研修等で教えている方法、つまり加算の算定率を上げることである。

24時間対応体制加算・緊急時訪問看護加算は体制を評価したものなので、利用者からの同意を得られる説明が求められる。また特別管理加算をはじめとした加算も対象の状態であることまた加算算定要件を満たしていること、それに加え利用者の同意を得ることが求められている。いずれの加算も利用者の同意を得るためには看護師によるわかりやすい説明が必須である。

2020年10月8日木曜日

途絶えてはならない管理者教育

金木犀の香は秋の深まりを感じ、日の短さも相まり何か物思う季節を感じる。

コンサルや管理者研修で多くの管理者の考えを聞くが、その際に感じることが多くある。

管理者は経営・運営上の課題は把握し自覚しているしそれを解決したいと思っている。だけど解決するために必要な情報の集め方つまり発見力と情報を使い分析する力の創造力そしてこれらをもとに解決に向け計画し実行後の分析する力が不足している。まとめると「発見する力」「創造する力」「計画する力」が不足している。

これらをコンサルや研修で補うことができれば、管理者は自ら解決の糸口を探すことができさらに解決につなげ大きな成果得、それを管理者としての成功体験につなげることができるのだ。実際成功した多くの管理者は年間億単位稼ぎかつ地域で存在価値のある訪問看護ステーションにしている。

多くの会社がテレワークに移行し首都圏にある事務所を閉鎖している状況である。エッセンシャルワーカー(生活するにはなくてはならないかつ非接触にはできない職種)と言われる看護職にはなかなか難しいとは思うし、現在のコロナ感染症の状況では研修開催等もままならないのはわかるが、リモートによる開催を進めていくことが悩める管理者への支援になるのでは・・・

 

2020年9月17日木曜日

新しい研修様式

コロナ感染症、大都市の感染症数は高止まりの様子。

現在受けている訪問看護ステーションの管理者研修会やその他の研修会。オンライン研修と対面研修が混在しているが、これからもこのような状況は続いていくだろう。

オンライン研修をしてみたが、講師としては正直受講者の反応が読みにくいのは残念だが、対面研修では躊躇することも言えるのは講師には好条件だった。

「テレビを観ているようだった。」というコメント。まるで他人事のような発言だ。これは研修に参加した受講生の意識の問題が大きく影響していると考える。考えたのは対面研修だからオンライン研修だから受講生の意識は変わらないと思う。それは受講者の研修へのモチベーションの差ではないだろうか。学ぶ姿勢があれば対面研修であろうがオンラインであろうが研修への意識の高さの違いで受講生自らが情報や知識を得ていくだろう。

新しい研修様式が今後も続くであろう。だからこそ受講生は今までの研修参加の意義を今一度考えて直してほしい。またコロナ感染症で早いうちに研修の中止を決めた開催側も研修開催の目的や受講者へのアプローチを考える機会としてほしい。

 

2020年8月23日日曜日

慰労金の申請しましたか?

訪問看護ステーションの職員一人当たり5万円の慰労金の給付が受けられる 新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業、申請しましたか? 

所定の様式により申請書を作成しオンラインで国保連に申請します。申請書は厚労省ホームページ、都道府県ホームページからダウンロードできます。都道府県が申請を確認後、国保連から慰労金の交付が受けられます。 対象は 常勤・非常勤 問わず申請可能ですが、10日以上の勤務の要件があります。個人の申請はできません。

とにかくホームページにアクセスし申請してください。                                                                               


2020年8月8日土曜日

コンサル後医師との連携強化

昨年コンサルした訪問看護ステーションの管理者からの手紙。約半年で機能強化Ⅰと看護体制強化加算Ⅰの算定ができ大幅な収益増になった報告だった。うれしい限りである。

その管理者はコンサルで「マグロのようにただただ動き回るのではなく目標を設定すること、その目標をクリアするために動きなさい」と言われたこと、そしてコンサルで教えられた方法で営業にひたすら励んだ結果だった。それは在宅支援診療所との連携つまり「訪問看護の必要性があれば○○ステーションに指示書をだすよ」という関係を構築したことである。つまり在宅看取りなど重症で医療依存度の高い利用者を積極的に受け入れた。

コロナ感染症の今入院患者への面会もままならならず家に帰りたいと希望する20歳代の利用者を受け入れ在宅看取りを行い、医師との連携を深めていった。経営への成果は医師との連携だけでなく、若年者へのターミナルケアを迷いながらも実施できたことで看護職員の看護のレベルアップにもつながりかつモチベーションのアップという成果をもたらした。結果としての機能強化と看護体制強化加算の算定といえる。
訪問看護ステーションにおいては経営の成果と職員のレベルアップやモチベーションは連動している確証だ。

2020年7月21日火曜日

看護学生、コロナに感染する

初物のシャインマスカット。甘い!おいしいの一言。

訪問看護ステーションは多くの看護実習生を受け入れていますが、今年はコロナ感染症もあり普段より気をつかうと思います。

愛知県で病院実習の看護学生(3年生20歳)のコロナ感染が判明!
院内感染ではありません。休日に友達との食事会での感染です。残念ながら、実習時に感染対策をしたとしても起こりえます。実習時間以外のことで注意を与えるのは躊躇すると思いますが、まずは利用者やステーション職員を守ることを考えてください。コロナ感染予防対策の一環として学校の担当教諭と連携し看護学生への教育を徹底してください。

2020年7月15日水曜日

新人訪問看護師の育成

新人訪問看護師育成で教育プログラムを活用している訪問看護ステーションもあるだろう。

訪問看護師基礎講座の研修を担当した。ある受講者の質問からステーションの現場での教育の在り方を考えさせられた。
新規利用者の担当になり、同行訪問する看護師から利用者の報酬算定の情報として医療保険か介護保険かの区別だけが示されるだけ。医療保険・介護保険の区別があることは理解できたが、訪問する利用者がなぜ医療保険の算定になるのかは説明されず、わからないまま訪問看護業務を行っていたという。

医療機関で働いてきた新人看護師は、報酬算定そのものの仕組みを理解していない。しかし訪問看護利用者の保険区別は複雑だ。まず利用者の医療か介護の区別が大前提となりそれぞれの基本の報酬や加算の算定につながる。制度・報酬の理解は訪問看護業務の基本中の基本なのだ。

担当する利用者が医療保険か介護保険だけの区別を教えるだけの指導ではなく、その根拠となる制度と報酬のしくみの教育、本当に大事ですよ。

2020年7月11日土曜日

4か月ぶりの仕事

4か月ぶりに仕事をした。

研修会場の東京都看護協会の会場は様変わりしていた。
協会入口にはアルコール消毒液が置かれ、講師も受講生も研修室前の非接触型体温計による検温と健康チェック票の記入、受講生はマスク着用しひとり一席で互い違いに着座。1時間ごとに10分間の換気、研修終了後の机等の消毒。講師席の正面にはアクリル板。パソコン、マイクはラッピング。机上には消毒液。そして講師もマスク着用。暑かった!

今後の対面研修はこのように実施されるのだ。受講生も研修参加は電車通勤等の移動が伴う。コロナ感染者が増加している、この先の感染の見通しも定かではない。対面研修のありかたを考える機会になった。

2020年6月25日木曜日

ICT化の補助

満開のオリーブの花。今年も多くの実を期待。

来年は介護保険改定です。改定前に行われる訪問看護ステーションの調査結果が公表されました。
コロナ感染症でサービス提供会議などケアマネとの連携でオンライン会議を活用したステーションもあったでしょう。調査結果をみると医療機関やケアマネ等との情報共有の効率化として「ICT導入」が43.3%と病院・診療所の23・3%より高い結果になっています。%ステーションのICT化が進んでいます。

令和元年度より介護現場のICT化に向け各都道府県の地域医療介護総合確保基金の活用がさなれてきたが、令和2年コロナ感染症の発生を踏まえ補正予算による拡充が行われました。
拡充内容は以下のとおりです。
  1. 事業所規模の応じた補助上限の引き上げ(職員1人~10人の場合は当初50万円が100万円となっています。)
  2. 補助対象となる機器の拡充(Wi-Fi購入・設置費)
  3. 介護ソフトの拡充(勤怠管理・シフト表作成等の介護ソフトも対象)

いずれも都道府県が裁量することになりますので、ICT化を考えているステーションは都道府県の担当部署への問い合わせをおすすめします。

2020年6月15日月曜日

コロナ感染症と訪問看護

6月なのに30度越え。マスク装着で行う訪問看護に疲労感が増していることでしょう。ご自愛くださいね!

コロナ感染症対策として、様々な職種で濃厚接触を少なくするための新たな取り組みがなされています。ワクチンが開発されて多くの方が抗体をもつことができるようになるには長い時間がかかります。共存(ウイズコロナ)していくことを考えることが求められています。

訪問看護は利用者との濃厚接触が多い業務です。マスクや防護服など感染対策は当然のことですが、新たに非接触タイプの体温計(約8,000円から9,000円で購入可)を導入するなど濃厚接触をできるだけ少なくするための取り組みが求められます。

他には訪問看護の前に5分以上の居室の換気をお願いする。訪問時の換気は重要ですが、多くのエヤコンは換気できない機種のほうが多いので利用者等の理解を得たうえで業務の合間に十分な換気をしましょう。

利用者や家族から感染への恐怖による訪問看護の拒否もあるでしょう。利用者等の不安を聞き取り、感染予防実施策の説明と訪問看護ステーションの取り組みと体制の十分な説明を行い理解を得たうえで必要な訪問看護の提供ができるように努めたいものです。


残念ながら感染が怖くてステーションから訪問看護時間の短縮や回数の減少をお願いしていることもあるようです。


最近では感染を怖がるあまり、小児科を含め受診を控えることが問題となっています。医師は往診等で受診控えを回避する取り組みをしています。訪問看護も受診控えの一旦を担えるようになるとよいですね。

2020年5月31日日曜日

オンライン研修に向けて


アベノマスク、5月29日に届いた。3月から6月の研修全滅で持続化給付金の申請も行った。後は振込みを待つのみだ。

すでにこれからの夏や秋の研修もキャンセルがでている。今までの出向き研修する形式は県を県またぐ移動と受講生の三密で今後もキャンセルがでる可能性は高く、講師業は窮地に陥っている。先が全く見えないのだ。しかし今後も新型コロナウイルスは存在し続けるのだから研修つまり対面研修そのものを考え直さないといけないところにきている。

7月初めの研修はZoomによるオンライン研修を申し出たところ、ありがたいことに了承を得ることができた。一歩進むことができたのだ。オンライン研修は初めてだが今実践につなげることを見据え、Zoomを使い友達同士の女子会等を開催している。距離は問わずネット環境さえあれば繋がることができるこの新しい取り組みは緊張感もあるが「わくわく感」も否めない。

これから新しい研修講師としてのありかたが始まる。

2020年5月21日木曜日

訪問看護 研修講師 行動変容

新型コロナ感染症は感染者数が減少しやや下火になったかのよう。今年の秋冬には第2波が来るといわれている。まだまだ安心はできない。

訪問看護ステーションでは、職員の三密を避けるためと感染防止対策で直行直帰、手洗いとマスク装着と物品の消毒、退院直後の利用者の受け入れ時の訪問順路の考慮などの感染対策が行われているようだ。しかしある管理者はステーションの感染対策は医療機関と違うのではと慌てて看護協会に問い合わせたり、直行直帰を経営者に提案したが却下されてしまったりとエピソードは多い。今、ステーションの職員による感染はあってはならないことである。対利用者だけでなく職員の私生活での感染予防対策も忘れてはならない。
コロナ感染症に対する新しい生活様式が求められている今、ステーションも新しい訪問看護提供の体制や実施方法を考え構築していかなければならない。


私ごとですが、3月からの研修キャンセルは相次いでいる。現地に赴き多くの受講生を対象とする研修形式は変更を余儀なくされ時代は変わっていくのを実感している。今後はZoomをつかったオンライン研修を実施していきたいと考えている。Zoomを使うことで今まで距離や時間の制限で研修に参加できなかった管理者もスマホやPCでリアルタイムで受講できるようになる。また小規模の研修やコンサルも実施できることから、研修講師として今後の事業展開を見据えている。

2020年5月13日水曜日

看護の日

今日5月12日は「看護の日」。ナイチンゲール生誕200年である。

ナイチンゲール「看護覚え書」を読んだ。ペストなどの感染症が蔓延した時代に部屋の換気と部屋やシーツなどの清潔の保持そして看護師の手洗い(洗顔含む)の励行。
真の看護は感染を予防する立場のほかは無視するものであると書かれている。感染症対策の基本は換気と清潔の保持と手洗いにつきる。それが200年前のナイチンゲールの看護の実践だった。

5月3日のNHKの番組でダイアモンドプリンセス号で新型コロナ感染症を発症後ICUに入院し亡くなった方の奥さんのインタビューで、入院後はベッドサイドにもいくことができなかったが亡くなる前に担当の看護師がICUのガラス越しにベットを移動してくれお互いの手をガラス越しに合わせることができたそれが最後だったと話していた。新型コロナ感染症で亡くなる患者と家族への看護だ。

2020年5月4日月曜日

訪問看護提供の臨時的な取り扱い 介護保険

外出自粛だけれど、花は咲き春爛漫だ。一年に一回しか咲くことができない花は見られることなく枯れていく。

4月30日厚労省は新型コロナ感染症に係る介護保険サービスの臨時的な取り扱いについて示した。

新型コロナの感染が疑われる利用者への訪問看護の提供にあたり感染リスクを下げるために訪問看護時間の短縮の工夫を行った結果訪問看護サービス提供時間が20分未満となった場合に20分未満の報酬を算定してよいとしている。
また利用者の新型コロナ感染症に対する不安から訪問看護を控えてほしいと要請された場合、まず訪問看護の必要性を説明し訪問看護の継続を務めてもなお利用者からの訪問看護を控えるよう要請された場合は利用者の同意を得たうえで、その月に訪問看護の実績があることまた主治医への状況報告と指示の確認のもと、看護師が電話等により病状確認や療養指導を実施した場合に20分の訪問看護費を週1回に限り算定可能とした。ケアプランの変更は当然である。

サービス提供者会議は電話やメールなどの活用など柔軟な対応を可能としている。


これらの臨時的な取り扱いはあくまでも新型コロナの感染対策として行われることだと認識し正しく対応してほしい。特に利用者の新型コロナへの不安に対する訪問看護の拒否に関しては看護師から訪問看護の必要性の十分な説明が大前提となる。つまり利用者から言われる前に看護師から訪問看護の提供時間を変更することはできないのだ。
また電話等による病状確認や指導の実施は今までの利用者の状態把握が行われていることが大前提であり、訪問看護記録に留めることは言うまでもない。


2020年4月23日木曜日

GAF尺度 精神訪問看護療養費

今回の報酬改定で精神訪問看護療養費(Ⅰ)と(Ⅲ)を算定する場合は、訪問看護記録書、訪問看護報告書及び訪問看護療養明細書に、月の初日の訪問時におけるGAF尺度により判定した値を記載することになった。
GAF尺度の評価方法を探したところ、平成22年診療報酬改定時の情報に公益社団法人日本精神科病院協会、令和元年中医協資料から得ることができた。
  1. GAF尺度は社会的・職業的・心理的機能を評価するスケールである
  2. 1から100の数値スケールで構成されている
  3. 数値が大きいほど健康と評価できる
  4. 各数値は10点ごとに区分けされている
  5. 区分の範囲には症状の重症度に関する内容と、機能に関する内容の2つが記述されている
  6. 記述例として区分60~51「中等度の症状(例:感情が平板的で会話が回りくどい、時に恐慌発作がある。)、または社会的、職業的、または学校の機能における中等度の障害(例:友達が少ない、仲間や仕事の同僚との葛藤)」赤字の記述が症状の重症度に関するものであり、緑色の記述が機能の記述に分けられる
  7. 得点を決定する際、2つのうちどちらか悪い方に最もよく適合する区分を選択する
訪問看護時の利用者の精神・身体状態と仕事や学校等の社会や周囲との人間関係などの詳細な情報を合わせたアセスメントが求められる。

2020年4月18日土曜日

こんな時の報酬請求

18日の小田急町田駅。一日の乗降客40万人以上の駅なのに強い雨が降る悪天候だったこともあるかもしれないけれど「stayhome」が周知徹底しているかな?と思いながら、30分位で食料品の買い物を済ませた。

訪問看護ステーションでは4月のレセプト請求を目前に控え診療報酬(医療保険)の改定内容が気になるところ。今年度は報酬改定研修のないままの請求業務で不安を感じている管理者も多いのでは?でもみなさんはすでに厚労省の改定内容の資料を入手しているし、パソコン上の報酬改定情報の変更も終了しているはず。まずパソコンに入力すれば算定できるのだからとりあえず入力し提出する。より的確な報酬算定をあるいは減額にならないようにと考えるなら、報酬の算定要件をよく読み自分のステーションの請求報酬と照らし合わせること。改定された報酬は改定内容と算定要件を照らし合わせてよく読めばわかるが、最悪間違った請求なら返戻されるのでその時に担当部署に聞いて再提出すればよいのだから。

幸いなことに今年度の診療報酬(医療保険)の改定内容はそんなに多くない。また機能強化型訪問看護療養費の人員配置要件の看護職員6割以上については令和2年3月31日に届け出の場合は令和3年3月31日の間貴限り基準を満たすとしている。

みなさんは今まで何回も報酬改定を経験してきているんですよ。落ち着いて請求業務をしてください。それよりステーションのコロナ対策、看護師等及び利用者の感染防止の徹底をしてください。

2020年4月16日木曜日

頑張れ訪問看護師

新型コロナ感染症は終息の気配さえなく重苦しい空気が満ちている。
運動不足を心配し近くの森林公園に行くとなんとそこは散歩ラッシュ!スーパーやドラッグストアもいつもより人が多い!驚くばかりだ。
マスク不足も深刻だ。あるコンビニに行ったら数名の方が日用品の棚の前に並んでいたので店員に聞いたらマスクの入荷曜日と時間を知っている客が並んでいるとのこと。数分間並んで7枚入りのマスクを買うことができた。因みに木曜日の午後3時くらいでした。週3回決まった配送とのこと。

訪問看護の現場では入院患者が家族の面会ができないからと退院し訪問看護の利用者に。また院内感染防止のための退院や外来診療中止による受診困難で訪問診療や訪問看護への依頼が増えているようだ。

ただ訪問看護師にはつらい誹謗中傷もある。  J-CASTニュース(4月3日)に、訪問看護先から帰るとき訪問車を見た住民から「看護師のお前がいるから感染する」などと言われない中傷を受けた辛い体験が掲載されている。訪問看護師は訪問看護を知らない人だからと訪問看護を説明しまた利用者宅に被害が及ばないようにと考えながら落ち着いた対応をしている。ぜひ読んでいただきたい。

2020年4月8日水曜日

新型コロナ感染症の渦中で

フェイスブックなどで訪問看護師の現場での様子が伝えられています。また在宅に関わる医師等の新型コロナ感染症に対応するための資料やマニュアルなど頻繁に更新されています。ソーシャルディスタンスをとること、手洗いの徹底、夜も含めた外出の自粛が感染防止のための方法と言われています。でもソーシャルディスタンスをとることは訪問看護の場合はできませんし、訪問看護は外出し実施する業務なのでこれを守ることはできません。また手洗いは今までも実施してきたのですが、より厳重な実施は必要ですし、マスク着用も必須です。

これらに加えて訪問看護ステーションでは、スマートフォンやiPad、パソコンのキーボードや共用する体温計や血圧計やステートなど業務で触れるものすべてのアルコール消毒が必要です。大分の病院で起こった院内感染ではドアノブなどは消毒していたがパソコンのキーボード等はしていなかったことが明らかになっています。「感染しない・させない」徹底しましょう。

「ナイチンゲール看護覚え書」を引っ張り出して読みました。ナイチンゲールはクリミア戦争当時の野戦病院で感染予防と対策で看護の成果をあげたこと、ニューヨークのセントラルパークに隔離のためのテントが張られたニュースを見て思い出しました。

2020年3月26日木曜日

理学療法士4日目以降の訪問 診療報酬改定情報

理学療法士等による訪問看護の見直しがあった。週4日目以降の評価の見直しである。
今までは看護職員と同じ評価の訪問看護訪問療養費の算定が可能だったが改定された。

改定前は保健師・助産師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による場合 (1)週3日目まで5,500円(2)週4日目まで6,550円だったが、改定後は下線部の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は別枠になり5,500円となった。
また算定要件に、「訪問看護計画書には訪問看護を提供する予定の職種について、訪問看護報告書には訪問看護を提供した職種について記載する」ことが付け加えられた。

これまで医療保険の利用者への訪問看護はどの職種の訪問なのかはレセプト上はわからなかった。そのため多くの理学療法士等がいる訪問看護ステーションでは利用者の状態に関わらず週4日目以降の訪問をしているところも多くみられている。今後は理学療法士等の訪問看護の見直しが必要だ。

2020年3月21日土曜日

難病等複数回訪問看護加算 診療報酬改定情報

診療報酬改定(医療保険)難病等複数回訪問看護加算の見直しがあった。
同一日の複数回の訪問看護の報酬が変わる。
難病等複数回訪問看護加算は以下の通りになる。
1日に2回の場合 
(1)同一建物内1人 4,500円
(2)同一建物内2人 4,500円
(3)同一建物内3人 4,000円
1日に3回以上の場合
(1)同一建物内1人 8,000円
(2)同一建物内2人 8,000円
(3)同一建物内3人 7,200円



現行と比べると同一建物の利用者でありかつ1日3人以上の訪問は減額される。

同一建物居住者の人数の明確化として
  1. 同一建物居住者の人数は訪問看護基本療養費を算定する利用者と精神訪問看護基本療養費を算定する利用者を合算した人数とする。
  2. 難病等複数回訪問看護加算又は精神科複数回訪問看護加算(1日当たりの回数の区分が同じ場合に限る)を同一日に算定す算定する利用者の人数に応じて算定する。
  3. 難病等複数名訪問看護加算又は複数名精神科訪問看護加算(同時に指定訪問看護を実施する職種及び1日当たりの回数の区分が同じ場合に限る)を同一日に算定する利用者の人数に応じて算定する。

コンサルで同一建物への訪問看護はサービス付き高齢者住宅などに併設された訪問看護ステーションで行われていることが多い。これらの頻回な訪問はステーションの経営を圧迫している。またそこで働く看護師のアセスメント能力が低いことや頻回な理学療法士による訪問も特徴的である。もちろん命を守り生活するうえで複数回訪問看護が必要な利用者もいるが、今いちど難病等複数回訪問看護訪問加算に基づく訪問を利用者の状態に合わせた看護提供の視点でアセスメントしてほしい。

2020年3月7日土曜日

精神障がい者の訪問看護の見直し 診療報酬改定情報

3月の寒暖差は体に応えますね。そんな季節の変わり目、新型コロナ感染症の感染拡大の中で訪問看護するのは本当に大変です。

さて診療報酬改定(医療保険)は、精神障がい者の訪問看護の見直しがあります。精神訪問看護療養費を算定している訪問看護ステーションは4月から精神障がい者の訪問看護の算定要件が変わります。精神障がいのGAF尺度による評価を訪問看護記録、報告書、明細書に記載することになります。GAF尺度は精神障がい者の病状や状態をアセスメントする尺度ですが、あてはまる尺度があいまいな表現で示されています。GAF尺度については検索し職員で共有し学習してください。
また複数名精神科訪問看護加算の見直しにより、複数名の訪問看護の必要性が精神科訪問看護指示書に記載されることが必須になりました。理由として
  1. 暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる者
  2. 利用者の身体的事由により一人の看護師等による訪問看護が困難と認められる者
  3. 利用者及びその家族それぞれへの支援が必要な者
  4. その他(自由記載)
つまり医師の明確な指示がなければ複数名の訪問看護はできないことになります。
精神科特別指示書についても同様です。

2020年3月6日金曜日

専門性の高い看護師による同行訪問 診療報酬改定情報

新型コロナ感染症、ひたひたと感染拡大している。そんなことで人・モノの流れも停滞しているようだ。ドラッグストアの棚にトイレットペーパーは戻ってきているけれど、マスクの棚はいまだ空っぽ。
でも今年度の診療報酬改定(医療保険改定)は迫っている。そんな中、研修会の開催中止も相次いでいる。




専門性の高い看護師による同行訪問の充実を図り、訪問看護療養費(Ⅰ)人工肛門・人工膀胱そのその他の合併症を有する利用者を対象に追加した。その一例としてストーマ陥没の固定ベルト併用が挙げられている。その他の合併症については詳細は今後Q&Aで示されるので注視したい。

2020年3月1日日曜日

機能強化型訪問看護ステーションの要件見直し

春を告げるミモザ、黄色はビタミンカラー。元気が出ます。

新型コロナで世の中は何か重苦しく、多くの人たちの健康や生活への不安が高まっているのを感じる。訪問看護の現場はいかがですか?
講師としては、管理者研修会のキャンセルもあり新型コロナの影響をひたひたと感じている。

でも4月の診療報酬改定(医療保険)は近づいている。

機能強化型訪問看護療養費1・2の人員配置基準、今まで常勤看護職員数のみとなっていたが、改正では機能強化型1では看護職員数7以上のうち6までは常勤看護師とし残りの1については非常勤看護職員の実労働時間を常勤換算し算入できる。

同じように訪問看護療養費2でも常勤看護職員5以上のうち4までは常勤看護師とし残りの1については非常勤看護職員の実労働時間を常勤換算し算入できるようになる。機能強化型訪問看護療養費1・2の算定要件の見直しでは、ターミナルケア療養費の算定件数の合計数の合計を前年度に20以上前年度に15以上かつ15歳未満の超重症児及び準超重症児の利用者数を合計した数が常時4人以上。


また、機能強化型訪問看護療養費1・2・3の人員配置基準が変更され、看護師等の6割以上が看護職員であることが要件に加えられた。つまりPT等の数が多いと要件を満たせなくなる。訪問看護ステーションはあくまでも看護職が訪問看護の提供をする組織であることがさらに明確になった。






2020年2月16日日曜日

訪問看護情報提供療養費 要件緩和

 
訪問看護情報提供療養費1に15歳未満の小児の利用者が含まれた。
また訪問看護情報提供療養費2の算定要件の見直しがあり、保育所等へ通院通学する利用者について、訪問看護ステーションが当該利用者の同意を得て当該保育園等からの求めに応じて指定訪問看護の状況を示す文書を提出した場合に利用者一人につき各年度1回に限り算定できる。ただし入園又は入学、転園又は転学等により当該保育所等に初めて在籍することになる月には情報提供書を提出することができる。

情報提供書については市町村から必要ないといわれ提出できないでいるステーションも多い。情報提供する内容が市町村の情報として活用できる内容であるかどうかの吟味すること、また市町村に対し災害対策時の活用など情報提供の重要性の理解を得られる努力も怠ってはならない。













2020年2月6日木曜日

中医協 短冊から PT等の訪問看護

1月29日中医協から短冊がだされた。短冊は算定要件の見直しなどの改定内容で報酬をぬいたものである。

PT等の訪問看護の報酬が看護師と別の算定になる。報酬はまだ不明である。また訪問看護計画書に訪問看護を実施予定の職種を記載すること、そして報告書には実際に訪問看護を提供した職種を記載することが算定要件になった。

PT等の報酬が別になるが看護師より低くなることはいうまでもない。今回は医療保険の改定だがPT等の訪問看護は来年度の介護保険改定にも影響してくる可能性は高いだろう。


PT等が多い訪問看護ステーションは、リハビリ主体の訪問看護の提供の体制を見直す必要が生じた。ちなみに理学療法士の訪問看護は、1回の訪問時間が60分かつ週2回の訪問看護による利用者のADLの改善が認められるエビデンスがある。今後はエビデンスをもとにした訪問看護の実施が求められる。

2020年1月28日火曜日

またまた、看護師の働きかた


   常勤看護師の働きかたが経営に大きく影響する。コンサルの結果では平均単価の影響もあるが、常勤看護師が1か月70件以上訪問しているステーションは黒字でそれ以下のステーションは赤字だった。また常勤看護師が70件以上訪問しているステーションは機能強化型や看護体制強化加算を算定できていることが多い。これらの加算算定はステーションの規模と関係してもいるが、在宅看取りや医療依存度の高い利用者へ対応するための看護師の稼働が影響しているといえる。
  しかし黒字のステーションは看護師の訪問件数を経営安定の目標数値として設定しての結果ではなく、利用者数増加に対応した結果としての訪問件数だったことがわかった。これでは利用者数や状態像により常勤看護師の稼働を左右されてしまい収入に影響してしまう。ステーションの経営安定には常勤看護師の常時安定した稼働ができるマネジメントが必要なのだが、管理者からは働かせすぎると退職するのではと、常勤看護師への遠慮をも感じた。このような心理からか管理者の訪問件数が常勤看護師を上回るステーションも多くみられた。
  経営安定を目標とすれば当然のことながら営業で利用者確保し訪問件数増につなげ常勤看護師の稼働も上げ収入につなげる。このような経営図式を作り上げてほしい。

2020年1月11日土曜日

今年もよろしくお願いします。

1月10日中医協で審議されたこと。

「訪問看護情報提供書」
訪問看護ステーションと自治体等の連携促進として、訪問看護情報提供療養費Ⅰに15歳未満の小児利用者を含める。医療的ケア児の情報提供に係る要件の緩和。
「医療材料」
医療的ニーズの高い利用者への訪問看護提供推進のために、訪問看護で用いる医療材料についての評価の見直しを行う。
「精神科訪問看護訪問療養費」
精神科訪問看護療養費の訪問看護記録にはGAF尺度(気持ちの落ち込みやイライラといった精神症状有無のチェックと日常生活への影響の評価)の値の記載を要件とする。また複数名精神科訪問看護加算の算定に訪問看護指示書への必要性の記載を見直す。

「24時間対応体制加算」
複数のステーションが連携して体制を確保した場合の24時間対応体制加算を見直す。

「理学療法士等の訪問」
医療的ニーズの高い利用者への適切な訪問看護の提供がなされるよう評価を見直す。訪問看護計画書・報告書に訪問する職種又は訪問した職種の記載の要件の見直す。

「機能強化型訪問看護訪問看護療養費」
機能強化型訪問看護療養費1と2の一部の看護職員について常勤換算による参入を可能とする。機能強化型訪問看護療養費の人員配置基準に看護職員の割合を要件に加える。