2012年7月24日火曜日

在宅看取り 求められる訪問看護のリーダーシップ

平成23年度訪問看護財団の「在宅看取りの推進をめざした訪問看護・訪問介護・介護支援専門員の協働のありかたに関する調査研究事業報告書」を読みました。この報告書は看取りに主にかかわる3職種への調査結果が示されており、それぞれ3職種の在宅看取りの課題を浮き彫りにしています。

3職種の経験年数は平均7年以上で、ある意味ベテランの域に達しているといえますが、看取りの経験は圧倒的に訪問看護師が多い結果になっています。また看取りを担当する自信は訪問看護師を除くときわめて少なくなっています。自信のない理由として介護職員とケアマネは必要な医療知識・技術への不安及び具体的な介護の方法、看取りのコミュニケーションのとりかたなど、看取りの経験の少なさがもたらす内容になっています。これらの調査結果から在宅看取りの訪問看護師の役割が明確になります。

在宅看取りには、最低でもケアマネと介護職が関わることが多いといえます。そのような中で看取りの経験が少なく自信ない介護職とケアマネジャーに協働してもらうためには、看取りの中でそれぞれの職種の役割を明確に示し実践してもらうことが求められています。つまり看取りの経験が多い訪問看護師がイニシアティブをとりそれぞれの職種に対し指導することです。指導するというと上から目線になりがちですが、それは禁忌です。経験がないのですから利用者等への関わりかたを具体的に示し理解不十分な事柄があればその都度質問を受け対応する具体的ことです。そうすることで訪問看護にかたよりがちな看取りの負担の軽減になりますし、なんといっても協働した介護職やケアマネからの厚い信頼を得ることができます。





















イニシアティブをとるということです。イニシアティブとることと指示的になることは基本的に違います。互いの職種の役割の違いを理解したうえで、それぞれの役割を果たせるようにすることです。これがチームケアの基本といえます。

2012年7月18日水曜日

利用者確保の積極的営業

7月13・14日の二日間青森県に行ってきました。青森県看護協会で二日間の管理者研修が行われました。
青森は最高気温が26度でとても涼しく過ごしやすい二日間でした。

医師やケアマネジャーへの訪問看護を知ってもらうためどのような取り組みをしているかを聞いたところ
①居宅介護支援事業所への営業に手土産持参する
②医師に訪問看護を利用してもらうために、訪問看護関連の報酬のパワポを作成して配布する
など、単に営業するだけでなく利用者確保に向けた積極的な取り組みが発表されました。

①の手土産を持参すると確実に利用者依頼がくるそうです。通常の会社等では当たり前になっている営業の手法ですが、3,000円の手土産で訪問看護週1回60分の利用者確保ができれば、単純計算で約10倍の事業収入になります。今ならお中元はどうでしょうか!

②はこれから行う予定ですが、医師に訪問看護関連の報酬を理解してもらうことが難しいと感じることが多くあります。そこで訪問看護の報酬内容をわかりやすくしたパワポを作成して医師に配布する取り組みです。この方法が医師の訪問看護への理解を深め訪問看護の依頼につながる可能性は大きいし、医師からの質問の際にもパワポを利用し説明することができます。

みなさんの訪問看護ステーションでも試してみたらいかがですか?

2012年7月7日土曜日

PT・OT・STによる訪問看護

報酬改定から4か月経過しました。
報酬改定時にPT等のリハスタッフを抱える訪問看護ステーションでは、PT等の訪問看護費が下がるということでちょっとした混乱が起きましたがその後はいかがでしょうか?

今までは30分未満が425単位、30分以上60分未満が830単位だった報酬ですが、今年度からは1回が20分で316単位となりました。そのために単位をだけをみると今までより報酬は大きく下がると考えリハスタッフの給与はおろか雇用の継続ができるのだろうかと考え混乱が生じたといえます。それはPT等のリハスタッフが専門的なリハビリを提供できる訪問看護ステーションは利用者確保がたやすいこと、リハスタッフは訪問看護師の1・5倍以上の訪問件数をこなし事業収入増に貢献することが訪問看護ステーションの経営に大きく影響しているからです。

今回の報酬改定後の訪問看護ステーションの経営状況を聞いてみると、今までPT等の訪問を60分としていた訪問看護ステーションでは事業収入への影響はなく、サービス提供体制加算が1回毎に算定できることで事業収入増につながったということです。利用者満足度調査結果では訪問看護ステーションへの要望が「十分なリハビリを受けたい」が第一位となっています。利用者がリハビリを受け今より少しでもよくなりたい、よくなることができるのではと期待した結果といえます。利用者のリハビリへの期待度は極めて高いことがうかがえます。

そこで考えてほしいのはリハビリの時間です。短時間のリハビリで目指すべき効果や利用者のリハビリへの満足度を満たすことができるでしょうか?短時間ではその効果を実感することは極めて難しいといえます。そこで20分や40分のリハビリを行っている利用者にはリハビリで目指す目標を明確にし計画的にリハビリすることを説明しケアプランの変更につなげる努力が必要です。PT等のリハビリ専門職が十分な時間でじっくり利用者に関わりながらリハビリを実施することで利用者の満足度が高くなります。それに加え訪問看護ステーションの経営への効果にもつながっていくことになります。