2021年9月15日水曜日

看護師は「看護」したい

 オンラインの管理者研修会でのこと。

研修最後に質問の時間、ある病院勤務の看護師が手を上げた。そして質問する前に今日の研修受講できてよかったことと併せて講師へのお礼を述べてくれた。そのなかで講師である私が驚きとともに感激した言葉があった。それは「このような内容の研修を受けたのは初めてで驚いた。また看護について再考できた。」だった。彼女の発言から研修内容が衝撃的だったことが見て取れた。もしかすると心の深くにあるが忘れているのかもしれない「利用者(患者)を看護で支援したい」という思いが呼び起されたのかもしれないと思った。

訪問看護ステーション管理者研修会では、経営・運営についての内容依頼が多いが、適切な看護実践つまり利用者の状態に合った看護提供を抜きにして収入増できる方法は教えてない。適切な看護実践がなされてはじめて収入に反映し経営安定できること、そして利用者の状態把握による看護実践は制度や報酬の仕組みと密接に関係していることを主に教えている。つまり看護を中心とした内容である。これらの内容が今まで聞いたことがない内容だったようだ。看護師が看護について再考する機会になったことは嬉しい限りだ。

研修全体をつらぬいている主張、それは看護について「看護は経済学の視点からみた看護職による行為であり対象者や組織に何等かの効用をもたらし取引の対象となる」と日本看護協会が定義づけしていること。つまり経済活動である看護は利用者等に効用つまり看護提供で良い変化をもたらしその行為への評価として利用料や報酬を得る経済活動ということである。この考え方と学びは看護することに迷ったり悩んだりしている看護師へ強いメッセージになっている。