2012年12月24日月曜日

Mary Christmas

 
Mary Christmas
ホワイトクリスマスの地方もありますね。
 
あっという間に年末になってしまいました。
訪問看護ステーションの管理者のみなさん、今年の目標は達成できましたか?
年度の目標だから3月まではといっている管理者もいるかもしれませんが、中間時点ということで目標に近づいているかを確認してみてください。
 
今年はダブル報酬改定があり訪問看護には手厚い報酬がつけられました。全国訪問看護事業協会の調査によるとおおむね増収が約50%変化なしが31%おおむね減収がア約15%の結果でした。約半数のステーションが増収したということです。
ではその増収割合はというと、5%以下が約60% 5~10%が33%でした。
みなさんのステーションの増収割合はどのくらいですか?
今回の改定された報酬が確実に算定できれば10%は確実に増収できると考えますが。
 
介護報酬の今年6月の審査分の結果をみると退院時共同指導の算定率はよいのですが、初回加算や特別管理加算(Ⅰ)の算定率が低いことです。(Ⅰ)には留置カテーテルを使用している状態が含まれます。バルン等の留置カテーテル利用者は介護保険利用者にも多くいますし、特別管理加算は給付限度額対象外になりましたからステーション独自で算定要件にあてはまることを確認したうえで利用者等に加算についての十分な説明をし了解が得られれば算定可能なはずです。あと初回加算の算定もあまり高くありません。
今一度加算算定要件を見直し、算定対象者への十分な説明により算定可能にすることにしっかり取り組んでみたらいかがでしょうか!
 
クリスマスイブの夜に下世話な話でごめんなさい。
 
 


2012年12月12日水曜日

ドイツ旅行


かわいい街並み
12月初旬からドイツに行きました。

日中も氷点下で雪が降りとても寒いのですが、この時期ならではのクリスマスマーケットが有名です。クリスマスマーケットは街ごとで開催され、クリスマスの飾りやお菓子や雑貨を売る屋台が何軒も軒を並べています。人々はグリューワインという温かいワインをカップごと買って飲みながら屋台を巡ります。
帰国すると東京もずいぶんと寒くなっていました。
訪問看護ステーションではこれから年末・年始に向けてのあわただしくなると思いますが、どうぞ体に気をつけて勤務してください。


雪のノイシュバンシュタイン城

クリスマスマーケット



















2012年11月30日金曜日

早いものでもう師走 

早いもので師走です。
研修講師もひと段落です。
久しぶりの出張なしの金曜日、家の近くの手作り生パスタのお店に行きました。

「鮭と小松菜のペペロンチーノ」モチモチのパスタがおいしいです。
今年は40か所ほどの研修を引き受け全国各地に行きました。
毎年開催される管理者研修では、前年の受講生に会うことが多く前年の研修の学びを実践しその成果を発表してくれます。

ある近畿圏の管理者は、体制加算として評価されている緊急時訪問看護加算(介護保険)の100%算定を目指しみごとに達成しました。もちろん達成するにはさまざまな困難がありました。
目標を掲げたとき職員から「利用者すべてから電話があったら対応できるのか?」という不安な意見がありました。管理者は「電話がかかってこないように日常の看護を徹底して行う」ために看護内容の見直しを行い十分な時間で指導を含めた看護が行えるように職員を教育し体制づくりをしました。このような取組の結果100%算定することができました。

この報告を聞き管理者研修講師として本当にうれしく思いました。そして目標達成するために困難なことがあっても解決できるように工夫しながら積極的に取り組むことができる管理者が確実に育っていることを確信しました。

2012年11月19日月曜日

報酬改定8か月後

高知県にある四国八八か所めぐり
三一番札所竹林寺五重塔の薄暮の紅葉
11月17・18日管理者研修で高知県に行きました。今年で3回目です。なぜか訪問看護サミット開催日と重なる日でした。

定員12名の少数の研修会ですが、土佐弁で「はちきん(活発な)」な管理者が集まり積極的で発言も多く、グループワークの時間も短いくらいででした。

さて4月の報酬改定後8か月経過しました。介護保険の給付費今年5月と昨年5月の比較結果がでました。訪問看護は17.5%増加しています。
また医療の管理療養費も訪問した回数分請求できるなど医療保険の報酬増加も見込まれます。みなさんのステーションはどうですか?

今回の報酬改定は介護も医療も今まで現場が要望してきた内容が加算等に確実に反映されています。このあたりで報酬改定の追い風を実感すべくみなさんのステーションの増収額や割合を計算してみたらいかがでしょう!

2012年11月16日金曜日

富山県のコンサルテーション事業

富山空港の展望デッキからみた紅葉と立木の紅葉の向こうに見える立山連峰
11月10日5年目の富山県のコンサルテーション事業の今年度分が終了しました。10月に6か所11月に3か所の合計9か所です。今年で16か所の訪問看護ステーションが終了したことになります。

コンサルテーション開始時のステーション数は34か所でしたが、現在は42か所になり利用者数は3倍以上になる変化がありました。

コンサルテーションは管理者とひざ詰めで行います。開設法人の違いや規模の違いに始まり細かいところでは携帯当番料金の違いや管理者および職員の年齢構成などひとつとして同じ形態のステーションはありません。管理者の経営への姿勢も千差万別です。

管理者とともに経営・運営の課題を明確にしその解決策を示すのですが、管理者の経営・運営モチベーションを見極めすぐに実践でき成果を実感できる方法を提示するのがコンサルテーションのとても大切なことです。

富山県はこの事業を県単独で実施しています。一つのステーションが2年連続受講できるので、1年目のコンサルテーションの指導事項を実践し2年目には必ず成果を出してくる管理者が多くなっています。

開設主体の違いをはじめとして多くの違いがあり、一括りで経営・運営を考えることは少し乱暴なのかもしれないとこの5年間を通して実感しました。だからこそ管理者への個別の支援としてのコンサルテーション事業が意味を持っているといえます。

2012年11月5日月曜日

訪問看護認定看護師

10月28日管理者研修会で鳥取県に行きました。鳥取県看護協会立訪問看護ステーションの訪問看護認定看護師の鈴木さんが「砂の美術館」に連れて行ってくれました。鳥取砂丘の砂で造った彫像を展示しています。今はロンドン展の催事中でバッキンガム宮殿やエリザベス女王の彫像がありました。(写真)
 砂像は色彩もなく地味ですが、砂が醸し出すはかなさと独特の質感があり見応えがありました。
11月3日は船橋市訪問看護ステーション連絡協議会の管理者研修会がありました。そこでも訪問看護認定看護師数名に会いました。

11月5日は日本訪問看護財団の訪問看護認定看護師教育課程で「在宅ケアシステム」の授業でした。

平成18年財団在職時から訪問看護認定看護師教育に関わっていますので、地方に行ったとき訪問看護認定看護師たちに会う機会があります。教え子?たちに「認定として活躍している?」と聞きます。
コールセンター事業の担当や研修講師また財団のアドバイザー派遣事業への参加と活躍の場を広げていることがわかります。

今後は地域の中でもっと活躍の場を広げて行ってほしいものです。そして今年度訪問看護の報酬として評価されたWOCナースや緩和ケアなどの認定看護師のように報酬算定につながる活動をしていってほしいと思います。

2012年10月23日火曜日

ナースキャップの意味するところ


「消えゆくナースキャップ」という記事が読売新聞の10月22日月曜日夕刊一面に掲載されました。ナースキャップが消えていく理由として、衛生的な問題と医療機器への接触による作業への影響と男性看護師の増加をあげています。

ナースキャップは10年くらい前から着用しない医療機関が増えていたので、この記事を読んで今更という印象を受けましたが、新聞の一面に取り上げられたという意味深さや社会への影響を考えさせられました。

ナースキャップを歴史的にみると起源は19世紀の修道女の帽子ということです。また過去欧米ではナースキャップは看護師とそうではない人とを区別する目印になっていたそうです。この目印としてのナースキャップには意味深いものを感じます。なぜかといえば在宅介護の現場での訪問看護師と介護職を区別するものは何かを考えたときナースキャップをかぶらない訪問看護師と介護職は何によって区別されるのかあるいは区別する目印は何かということです。

今年の制度改定で一定の条件のもと介護職の吸引と胃瘻の注入が認められました。そして今後も介護職の医療行為への業務拡大は進んでいくといわれています。そのような状況で訪問看護師と介護職の行う吸引と胃瘻の注入を区別する目印となるナースキャップは何か?それは看護師としての観察と判断のもと行われれる医行為であるといえます。また訪問看護師として掲げるナースキャップが利用者に明らかであること、また他職種にも明確であることが求められています。

10月20・21日コンサルテーションで行った富山でいただいた
砺波市特産のチューリップの球根です。来年の春きれいに咲きそろってほしいな!

2012年10月12日金曜日

報酬改定から6か月


新潟県越後湯沢のコスモス畑です。白いコスモスは珍しいですね!
ダブル報酬改定後6か月が経過しました。みなさんのステーションでは、報酬改定の追い風効果出てますか?

今回の報酬改定は算定可能な報酬を算定すれば平成24年3月以前と比べ収入は確実に増えるといえます。約50か所のステーションの実績表を見ると最低でも10%から最高30%強の報酬増がありました。

30%強の報酬増のステーションでは、まず利用者数が増え訪問件数が増えています。今まででも利用数の増加による訪問件数の増加は増収に直結していることは明らかでしたが今回の報酬改定でさらに収入増への影響が大きくなったといえます。

それに加え加算の算定を正確にしているステーションの報酬が収入を大きく増やしています。今回の報酬改定は、重症度が高く医療依存度の高い利用者への訪問看護を評価し様々な加算を設定していますので、加算の算定要件を満たす利用者であれば利用者への説明と同意のもと算定できれば一層の収入増加が見込めます。

みなさんのステーションでも報酬改定前後の報酬を比較して報酬改定の恩恵の有無を確かめてみてください。もし明らかな収入増がないときは、加算算定の見直しや個別の利用者ごとに訪問看護内容の見直しなどを行い今回の報酬改定の恩恵を十分受けられるようにしましょう。



2012年10月1日月曜日

福井県のコンサルテーション事業

福井県のコンサルテーション事業が9月27日・28日二日間にわたり福井県看護協会で行われました。ちなみにこの事業は今年度から福井県の予算で実現しました。北陸圏で富山県についで2番目のコンサルテーション事業です。

今回コンサルテーションを受けた訪問看護ステーションは6か所です。開設年では今年の4月開設のステーションをはじめとして開設後14年のステーションでステーションの規模も小規模から中規模という状況です。
コンサルテーションの様子
このステーションは今年の4月に開設したばかりで、管理者はそれまで病棟の主任経験者でしたがあるときステーションの管理者に抜擢され今訪問看護に取り組んでいます。病棟経験は長く内科をはじめとして多くの臨床経験を積んできています。でも訪問看護の経験は初めてなので面喰ってましたが、前むきに取り組もうと真剣でした。また同席した医事課の職員も同様でした。


コンサルテーションの様子
このステーションは夫婦で株式会社を立ち上げ4年目でした。今まで夫唱婦随でステーションを経営してきましたが給与や役員報酬等経理面や今後の経営の方向性についての悩みを抱えていました。
 
この事業の担当者である澤邉さんは、6名の管理者たちがこの事業に参加し抱えていた課題を解決し、今後の方向性を見い出すことでさらにモチベーションを高め明るい表情でコンサルテーション会場を後にしていくのを目の当りにし「実施してよかった」と言ってくださいました。
 


                                  

2012年9月23日日曜日

訪問看護ステーション10周年パーティに参加して

9月22日土曜日、横浜市港北区の訪問看護ステーション10周年パーティに行きました。
写真はその時の訪問看護ステーションスタッフ全員でのパフォーマンスの様子です。


金の鯱ではなく「たい焼き?」を頭につけてのパフォーマンスで盛り上がりました。

この訪問看護ステーションは平成18年の時点で利用者40名看護師3名の小規模ステーションでしたが7年間で看護師20名利用者150名以上の大規模ステーションになりました。
このステーションの特徴は、「看護師採用に困らない」「残業がな
い」ことです。それゆえ看護師の中には子育て中の看護師が多くいます。管理者も小学生の母親です。子供の病気や学校の用事のときは気兼ねなく休むことができるようにしています。また医療機関からの再就職の看護師の訪問看護業務へのリアリティショックへを少なくするためにOJTなどを中心とした定着の取組を行っています。それに加え未婚の看護師の合コンを開催するなどバラエティにとんだ取組をしています。その結果キャリアを持った看護師が集まってきますし、楽しく仕事ができています。

今回のパーティでも看護師さんたちは明るく楽しげにしていたのが印象的でした。

2012年9月16日日曜日

福島県訪問看護ステーション連絡協議会管理者研修会

9月15日福島県訪問看護ステーション連絡協議会の管理者研修がありました。
参加者は約50名、管理者たちは積極的でグループワークで様々な意見交換ができました。

福島県訪問看護ステーション連絡協議会は訪問看護支援事業のコールセンターと衛生材料供給システムを実施してしています。写真はそのパンフレットです。
F.L.A.NはFukusima Liaison Association for Visit Nursingの頭文字です。洒落てますね!

中央にある医療材料供給システムのパンフレットには、医療機関と薬局、訪問看護ステーション、利用者それぞれの立場の供給システムのメリットが書かれていてわかりやすい内容になっています。全国訪問看護事業協会の調査研究報告書で訪問看護ステーションから医師への説明不足から必要な医療材料の供給がスムースに行われていないことが明らかになっています。医療材料供給システムの構築とともに、訪問看護師から医師への十分な説明がなされることで訪問看護ステーションの負担軽減にもつながることができると考えます。

次は悲しいお知らせです。
今年の夏福島県の訪問看護師2人が亡くなりました。
1人は登山中の尾根からの滑落で命を落とし、もう1人は強盗殺人事件の被害者でした。二人とも現役の訪問看護師として活躍しており1人は管理者で協議会の前会長でした。
協議会の役員からこの事実を聞いた時本当に驚くとともに、残された方々の心中を察し心が痛みました。
亡くなった方のご冥福をお祈りするとともに、現役で亡くなった二人の訪問看護師の遺志が同僚や部下につながれていくことを念じてやみません。



2012年9月8日土曜日

宮崎県に行ってきました

9月7日から宮崎県看護協会の管理者研修会に行きました。写真は宮崎空港で買った今日解禁になったばかりの伊勢海老です。とても元気よく触ると飛び跳ね形よく並べて撮影するのに苦労しましたが、生きが良いだけに身が甘く本当においしかったです。
 
宮崎県看護協会の管理者研修会の講師は今年で5年経過しました。
今日の研修会で宮崎県看護協会の訪問看護の研修担当者である荒川さんから5年間の管理者研修会を振り返り次のような報告がありました。管理者研修を受けた管理者が成し遂げたことは、研修会で学んだ訪問実績表の活用し経営の安定化につなげたことで上司からの評価を得て新たな訪問看護師の確保につながったこと、人材育成の学びからヒントを得て人材育成の取りくみとして准看護師が訪問看護ステーションで働きながら通信制教育課程を終え看護師となって訪問看護を継続していること、また短時間しか勤務できない子育て中の看護師を職員全体で支援し職員の定着につながっていることなどでした。

このような前向きの変化を聞くことは、今まで宮崎県の管理者研修の講師として関わってきた者として本当にうれしい限りです。それに加えて、研修会で学んだことを確実に実践し成果を出す管理者の実践力の強さと思考の柔軟さには敬服します。その原動力は訪問看護ステーションの経営状況や人材育成・確保を何とかしたいという管理者の熱意によるものと確信します。「継続は力なり」という言葉がありますが、まさに管理者への教育は継続し長期に行うことが大切だと痛感しました。

2012年8月27日月曜日

在宅看取りの報酬請求  調査研究報告書から


写真は日本訪問看護財団の「在宅看取りの推進を目指した訪問看 護・訪問介護・介護支援専門員間の協働のありかたに関する調査研究事業報告書」です。
在宅看取りを行った際の死亡月の保険請求額を医療保険と介護保険に分け調査しています。
ちなみに医療保険を利用した死亡月の平均請求金額は82,868円で、10万円以上も3割ありました。ターミナルケア療養費の算定は8割でした。
介護保険を利用した死亡月の平均保険請求額は5,978単位で、10,000単位以上はわずかに1割強でした。ターミナルケア加算の算定率は約6割という結果でした。
死亡月に何回の訪問看護を実施したかはこの調査では不明ですが、在宅看取りの1か月間は看取りに向け利用者の状態に合わせた看護ができるよう訪問回数や時間を増やす、医師や関わるサービス提供者と密接な連携をする、また家族へのサポートなど訪問看護の神髄を余すことなく発揮できる期間といえます。それゆえ医療保険と介護保険の違いはあるけれど、ターミナルケアで行う内容に大きな違いはないといえます。それなのに平均保険請求額に違いが生じていること、またターミナルケア加算の算定率に2割の差があることに驚きました。

その理由として介護保険利用者のターミナル期の訪問回数等の増回に関しケアマネジャーとの連携の不十分さによるものなのか、ターミナル加算の算定率が医療保険より低いのはターミナル期の認識の低さから要件を満たすことができずに算定できなかったのかなどを考えることができます。今後ますます在宅看取りは多くなります。今までの看取りの報酬算定を訪問看護の実施状況等と合わせて検討してみたらいかがでしょうか!

2012年8月15日水曜日

悩める管理者

管理者研修を受講した管理者からの電話相談を受けます。
相談の内容は、「訪問看護ステーションの開設」「法人との関係」「管理者を辞めたい」「職員との関係づくり」などさまざまです。

このような管理者の話を1時間程聞きながら感じることは、現在の状況は把握できているけれど、問題を解決したり新しい判断をするために必要な情報が圧倒的に不足しているということです。たとえば開設準備をどこから始めればよいのかがわからない、問題解決の糸口はなんとなくわかるけれどどのような方法を用い取り組めばよいかがわからないなど、悶々としている様子をうかがうことができます。また考えて実践したけれどうまくいかなかいあるいは成果がすぐ出ないと勝手に判断しあきらめようとしていることが多いと感じます。

相談してくるのですから切羽つまっており自分ではもうどうしようもないところまできているのは、受話器の向こうから聞こえる声からも察することはできますが、相談の中で課題を明確にし解決あるいは対処方法を具体的に示すと「やってみます。」という明るい返事になりますから、まだ余力があるということです。

今は情報が極めて多い時代です。まず自分の解決したい課題を明確にすること、そして課題解決のためのあらゆる情報を集めることです。情報収集方法としてITの活用や書籍、あるいは他者への相談などさまざまな選択肢があります。
その方法はまさに利用者の訪問看護計画と実践のプロセスではないでしょうか!その課題解決アプローチを自らに適用してみることです。

2012年8月1日水曜日

暑中お見舞い申しあげます

本当に暑い毎日が続いています。
訪問看護師にはつらい暑さですね。
健康管理には十分注意してください。

写真の絵手紙を研修会を受講した管理者から頂きました。この絵手紙を描いた管理者は個展をひらいたり、ボランティアで絵手紙教室を開催する活動をしているそうです。研修会のあった日の午後は訪問看護ステーションでの絵手紙教室を開いたそうです。管理者いわく絵手紙を描くことで日常業務の多忙さを忘れさせてくれる時間になっているそうです。



2012年7月24日火曜日

在宅看取り 求められる訪問看護のリーダーシップ

平成23年度訪問看護財団の「在宅看取りの推進をめざした訪問看護・訪問介護・介護支援専門員の協働のありかたに関する調査研究事業報告書」を読みました。この報告書は看取りに主にかかわる3職種への調査結果が示されており、それぞれ3職種の在宅看取りの課題を浮き彫りにしています。

3職種の経験年数は平均7年以上で、ある意味ベテランの域に達しているといえますが、看取りの経験は圧倒的に訪問看護師が多い結果になっています。また看取りを担当する自信は訪問看護師を除くときわめて少なくなっています。自信のない理由として介護職員とケアマネは必要な医療知識・技術への不安及び具体的な介護の方法、看取りのコミュニケーションのとりかたなど、看取りの経験の少なさがもたらす内容になっています。これらの調査結果から在宅看取りの訪問看護師の役割が明確になります。

在宅看取りには、最低でもケアマネと介護職が関わることが多いといえます。そのような中で看取りの経験が少なく自信ない介護職とケアマネジャーに協働してもらうためには、看取りの中でそれぞれの職種の役割を明確に示し実践してもらうことが求められています。つまり看取りの経験が多い訪問看護師がイニシアティブをとりそれぞれの職種に対し指導することです。指導するというと上から目線になりがちですが、それは禁忌です。経験がないのですから利用者等への関わりかたを具体的に示し理解不十分な事柄があればその都度質問を受け対応する具体的ことです。そうすることで訪問看護にかたよりがちな看取りの負担の軽減になりますし、なんといっても協働した介護職やケアマネからの厚い信頼を得ることができます。





















イニシアティブをとるということです。イニシアティブとることと指示的になることは基本的に違います。互いの職種の役割の違いを理解したうえで、それぞれの役割を果たせるようにすることです。これがチームケアの基本といえます。

2012年7月18日水曜日

利用者確保の積極的営業

7月13・14日の二日間青森県に行ってきました。青森県看護協会で二日間の管理者研修が行われました。
青森は最高気温が26度でとても涼しく過ごしやすい二日間でした。

医師やケアマネジャーへの訪問看護を知ってもらうためどのような取り組みをしているかを聞いたところ
①居宅介護支援事業所への営業に手土産持参する
②医師に訪問看護を利用してもらうために、訪問看護関連の報酬のパワポを作成して配布する
など、単に営業するだけでなく利用者確保に向けた積極的な取り組みが発表されました。

①の手土産を持参すると確実に利用者依頼がくるそうです。通常の会社等では当たり前になっている営業の手法ですが、3,000円の手土産で訪問看護週1回60分の利用者確保ができれば、単純計算で約10倍の事業収入になります。今ならお中元はどうでしょうか!

②はこれから行う予定ですが、医師に訪問看護関連の報酬を理解してもらうことが難しいと感じることが多くあります。そこで訪問看護の報酬内容をわかりやすくしたパワポを作成して医師に配布する取り組みです。この方法が医師の訪問看護への理解を深め訪問看護の依頼につながる可能性は大きいし、医師からの質問の際にもパワポを利用し説明することができます。

みなさんの訪問看護ステーションでも試してみたらいかがですか?

2012年7月7日土曜日

PT・OT・STによる訪問看護

報酬改定から4か月経過しました。
報酬改定時にPT等のリハスタッフを抱える訪問看護ステーションでは、PT等の訪問看護費が下がるということでちょっとした混乱が起きましたがその後はいかがでしょうか?

今までは30分未満が425単位、30分以上60分未満が830単位だった報酬ですが、今年度からは1回が20分で316単位となりました。そのために単位をだけをみると今までより報酬は大きく下がると考えリハスタッフの給与はおろか雇用の継続ができるのだろうかと考え混乱が生じたといえます。それはPT等のリハスタッフが専門的なリハビリを提供できる訪問看護ステーションは利用者確保がたやすいこと、リハスタッフは訪問看護師の1・5倍以上の訪問件数をこなし事業収入増に貢献することが訪問看護ステーションの経営に大きく影響しているからです。

今回の報酬改定後の訪問看護ステーションの経営状況を聞いてみると、今までPT等の訪問を60分としていた訪問看護ステーションでは事業収入への影響はなく、サービス提供体制加算が1回毎に算定できることで事業収入増につながったということです。利用者満足度調査結果では訪問看護ステーションへの要望が「十分なリハビリを受けたい」が第一位となっています。利用者がリハビリを受け今より少しでもよくなりたい、よくなることができるのではと期待した結果といえます。利用者のリハビリへの期待度は極めて高いことがうかがえます。

そこで考えてほしいのはリハビリの時間です。短時間のリハビリで目指すべき効果や利用者のリハビリへの満足度を満たすことができるでしょうか?短時間ではその効果を実感することは極めて難しいといえます。そこで20分や40分のリハビリを行っている利用者にはリハビリで目指す目標を明確にし計画的にリハビリすることを説明しケアプランの変更につなげる努力が必要です。PT等のリハビリ専門職が十分な時間でじっくり利用者に関わりながらリハビリを実施することで利用者の満足度が高くなります。それに加え訪問看護ステーションの経営への効果にもつながっていくことになります。


2012年6月29日金曜日

定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービス

今年度創設された目玉の定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスは、推進していきたいという国の方針に沿ったかたちでは伸びていないようです。
一体型つまり介護事業所が看護師を採用し定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスを実施する方式及び訪問看護ステーションとの連携型でもその数は伸び悩んでおり、全国で34か所そのうち一体型は6事業所で訪問看護ステーションとの連携型は28か所ですが、やはり単位数が低く抑えられていることが連携型が増えていかない理由のひとつといえます。

現在サービス提供している介護事業所の問題点は、利用者からの頻回な呼び出しが多いということです。つまり24時間いつでも対応可能としていることから利用者からの頻回な呼び出しがあり人員的にも対応するのが困難な状況が生じ始めているということです。頻回な呼び出しは「何となく不安になったから」「昼間聞き忘れたから」「近くにある物がとれない」など緊急性の低い内容が多いようです。

なぜこのような状況がなぜ起こるのでしょうか?
大きな要因として利用者への体制やサービス内容の十分な説明が不足していること、どのような時に連絡が必要かという利用者への説明の不足が考えられます。

訪問看護サービスにおいても24時間対応体制加算に同様の状況があります。どのような時に連絡すればよいのかが明確になっていないために緊急性が低い内容での連絡が多くなってしまうのです。24時間対応体制加算は24時間いつでも看護に関する相談ができること、看護師の訪問が必要な場合対応できる体制があることが要件となっています。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの連携型を介護事業所から打診されたとき、ステーションとして対等な契約ができるように、今一度サービス内容や報酬等について十分把握しておくことが大切です。


2012年6月13日水曜日

訪問看護の架け橋

萩原が訪問看護の現場にいた期間は約11年です。

医療機関の訪問看護部門も訪問看護ステーションでも当時はまだ訪問看護の経験がない看護師がほとんどでした。
そのために「利用者から利用料金徴収が負担だ」「利用者や家族とのコミュニケーションができない」から始まり「パソコン入力ができない」などさまざまな業務遂行上の悩みを抱える看護師たちばかりでした。なによりも訪問看護そのものがわからない看護師にOJT等現場での教育を通し訪問看護を根気よく教育していきました。その時の教育理念は、変な言い方かもしれませんがどこの訪問看護ステーションに転職しても恥ずかしくない訪問看護ができる看護師の育成でした。

年月が経ち成長した看護師たちはそれぞれに転職していきましたが、現在その時一緒に働いていた看護師の4人が管理者として活躍しています。

当時まだまだメジャーではなかった訪問看護をまず看護師に伝えようと蒔いてきた種が実を結んできていることを実感しています。



















2012年6月4日月曜日

特別訪問看護指示書の有効利用

在院日数の短縮化により医療依存度や重症度の高い利用者の在宅移行が進む中、早期に退院し在宅に戻る利用者や家族の療養への不安や負担感は計り知れないものがあります。

在宅移行時の不安や心配事が多い退院直後の時期に週1回の訪問看護、このような計画で安心安全な在宅療養の支援ができるでしょうか?在宅移行がスムースできるようにするには早期の頻回な訪問看護による介入がポイントになります。

そこで特別訪問看護指示書の活用をおすすめします。
退院直後の利用者は在宅生活に慣れるまでは当然のことながら状態の不安定な状況が続きます。不安定な時期だからこそ頻回な訪問看護による支援が必要なのです。退院直後から2週間、毎日訪問看護し状態安定のケアや医療ケアの指導等を行うことで訪問看護そのものへの信頼を高めることにもつながります。なによりも頻回な訪問看護により利用者の十分な状態観察ができること、利用者の状態に合わせた医療ケアや介護指導により利用者の長期の在宅療養の継続を可能にすることができます。また特別指示書による訪問看護が高い報酬につながることはいうまでもありません。

試算すると介護保険で週2回60分の訪問看護と緊急時訪問看護加算・特別管理加算で76,800円、特別指示書2週間と24時間対応体制加算と特別管理加算、特別指示書期間以降週1回の介護保険の訪問看護は131,900円で約2倍弱の報酬になります。

報酬改定で退院時の特別訪問看護指示書の利用が認められたのですから、利用者の円滑な在宅移行のための活用をおすすめします。当然のことながら頻回な訪問看護が必要かどうかは医師の判断になります。

2012年5月24日木曜日

訪問看護研究調査報告書から

訪問看護財団から平成23年度の研究調査報告書4冊ができあがりました。さっそく取り寄せて読んでみました。

その中の「医療的ケアを要する要介護者高齢者の介護を担う家族介護者の実態と支援方策に関する調査研究事業報告書」は、医療依存度が高い利用者を介護する介護者の身体的・精神的介護負担に伴う困惑や困難を明確にし、関わる訪問看護に求められる支援とは何かを示しています。

介護者の高齢化はもちろんのこと利用者の介護度は要介護3・4・5の中重度者が約8割をしめ、かつ高度な医療処置への対応を余儀なくされていること、また医療ケアがあるためにデイサービスやショートステイなどのサービス利用の弊害になっていることで長期の在宅介護への身体的・精神的な負担を感じていることが浮き彫りになっています。

訪問看護側からはこのような介護者に対する直接かつ間接的な支援が訪問看護の滞在時間の中で十分できないとしています。ちなみに利用者への1回の訪問看護提供時間は平均60分から90分でそのうち16分弱が介護者の支援時間としています。

この短時間で介護者への支援はできるのでしょうか?
介護者の困っている状況に訪問看護師による負担軽減のための対応が求められています。その対応とは在宅療養継続の介護者の最大の負担を把握すること、その負担軽減の方法を提案できることです。訪問看護師は介護者の状況を含め看護できる唯一の職種ですから、訪問看護の内容の見直しによる回数・時間・複数名の職種による支援など、また介護者が休むことができるような通所や入所サービス利用の提言と支援ができます。このような包括的な看護をすることで、介護者からの熱い信頼を得ることができるのです。そのためには介護者支援に十分な時間を費やすことが必要です。






2012年5月14日月曜日

サテライト設置と訪問看護ステーション開設

研修に行った時次の訪問看護ステーションの開設についての相談を受けたり、電話やメールで新規の開設の相談を受けることが多くなっています。

大きな法人で現在のステーションの利用者増を業務拡大のチャンスとし、次のステーションの開設を考えての相談や訪問看護師が自らのステーション開設、また訪問看護の効率化を考えサテライト設置を考えることが多いのが現状です。

訪問看護の効率化つまり看護師の移動距離の短縮化だけを考慮しサテライト設置をしたが、結果としてサテライト地域の人口動態変化による利用者数の減少で結局閉鎖ということも起きています。またサテライトで業務する看護師への精神的負担が多くなり看護師の疲弊や退職につながるなどの問題が生じています。

サテライト設置と運営には十分な検討が必要なのです。サテライトの設置地域の将来性の見込み等必要な情報を基にした開設計画立案を勧めます。

訪問看護師のステーション立ち上げですが、応援します。訪問看護が大好きな看護師が自らの資金で立ち上げるなんて素晴らしい!萩原の法人設立奮闘記を参考にしてください。コミュニティケア5月号です。

2012年5月5日土曜日

報酬改定後初めての請求業務

5月に入りました。
報酬改定後の最初の請求業務になりますが、今回の改定の事業収入への効果はありますか?
あるステーションでは約5%の収入増が見込まれるということです。みなさんのステーションはいかがですか?

何度も言うようですが、今回の報酬改定は訪問看護に手厚くなっており、加算や医療保険の夜間加算の算定を含め正確な算定ができれば当然のことながら事業収入は上がります。もし事業収入が上がっていないのなら、今一度加算の算定等の見直しをしてみたらいかがでしょうか?

加算は利用者の状態等により変化しますから算定漏れなどを担当の訪問看護師とチェックするなどの作業が必要になります。

今回の報酬改定はステーションの経営安定にはチャンスといえます。この機会を逃さないようにしたいものです。
また事業収入増になれば、職員の賞与等に反映したいですね。

2012年4月16日月曜日

医療保険の新しい加算 特別地域訪問看護加算

報酬改定後の4月14日に報酬改定の研修講師として秋田県に行きました。
秋田の季節は東京に比べると1か月くらい遅く、東京の3月くらいの気候でした。もちろん、桜は咲いてませんでした。

秋田県訪問看護ステーション連絡協議会の総会の前の研修会で集まったのは約40名の管理者です。

今回医療保険では特別地域訪問看護加算が新設されました。
この加算はステーションから遠距離の利用者宅への訪問を評価したものです。
ステーションの所在地から利用者宅までの訪問に際し、最も合理的な通常の移動経路および方法で片道1時間以上要し利用者への訪問看護を行った場合に所定額(5,550円)の50%を加算できるものです
この特別地域訪問看護加算を算定できる地域はどうかは地方厚生局に確認が必要です。

ちなみに北海道は札幌市を除く全域が対象となるそうです。
秋田県で自分のステーションの訪問地域が対象かどうかを確認した管理者は1人だけでした。

みなさんのステーションの訪問地域が該当するかどうかを地方厚生局に確認してください。
ただし、該当する利用者宅まで他の利用者宅を経由していくあるいは交通渋滞する経路を利用するというのは該当しません。あくまでも最も合理的な移動経路と通常使用している移動方法というのが要件なのです。
もちろんこの加算の算定についても利用者への十分な料金説明をすることは言うまでもありません。

2012年4月10日火曜日

ダブル改定後


春爛漫
美しい桜並木を撮影しました。
春は何か新しいことに向かっていこうと意欲が出てくる季節です。




さてダブル改定後、みなさんの訪問看護ステーションはどのような状況でしょうか?

ステーションの職員の報酬算定の理解ができていますか?
利用者への説明は十分できていますか?
ケアマネジャーへの新しい報酬の説明はできていますか?
医療機関へ新しい報酬の説明はできていますか?

今回介護保険でも退院時共同指導加算が創設されました。医療保険と違う点は、特別の関係が算定要件ではないことです。同一法人でも退院時共同指導加算の算定が可能ということです。このような新設の報酬は医療機関やケアマネジャーへの周知が重要です。算定要件を把握したうえで各機関へのPRをしましょう。医療保険の外泊日の訪問看護療養費(Ⅲ)や緩和ケア及び褥瘡ケアに係る専門の研修を受けた看護師による訪問看護は特別の関係であっても算定可能です。相談室のSWや退院調整看護師等へ周知し積極的に利用したいものです。

2012年3月30日金曜日

平成24年ダブル改定 医療保険

いよいよダブル改定の4月になります。
準備は大丈夫ですか?

今回の訪問看護療養費の報酬は医療依存度の高い利用者に手厚い報酬となっています。
また現場のみなさんの長い間の要望が報酬への反映もみられます。
今回の報酬改定は「訪問看護には追い風」になっています。
しかしその追い風を受け発進できるかどうかは、現場での報酬の運用にかかっています。

訪問看護基本療養費(Ⅲ)外泊日の訪問看護、医療依存度の高い利用者への退院直後の特別指示書による訪問看護などは、医療機関に新しい報酬体系ができたことを周知しないと活用してもらえません。
また特別管理加算(重症者管理加算)の対象者は週4日以上訪問できるようになりました。訪問看護管理療養費は要件緩和により1か月算定可能になりました。

新設の報酬や要件緩和による報酬で、ステーションの報酬請求額が増えるということになりますが、多くの訪問看護師の心配する利用者さんの負担額が増えることになります。これらのことは表裏一体なのです。

利用者負担が増えることを心配するのであれば、負担額が増える利用者への十分な説明を怠ってないけません。訪問看護師一人ひとりが報酬改定の内容を熟知し4月以降の利用料を利用者にわかりやすく説明できるようにすることです。

2012年3月19日月曜日

3月の各地の研修会

いよいよダブル改定の4月が近づいてきました。
平成24年になってからさすがに報酬改定の研修の依頼が多くなっています。

3月10日は北海道訪問看護ステーション連絡協議会開催の研修がありました。
今までは80名程度の参加者でしたが、今年は160名でした。参加希望者はもっといたそうですが、会場の関係で制限したと関係者から聞きました。訪問看護師の報酬改定への高い関心の表れといえます。

3月17・18日は高知県看護協会の管理者研修会がありました。
昨年に続き2回目になります。
2日間の研修日のうち1日は報酬改定についてじっくり学びました。研修終了後雨が止んだので高知城にいきました。


3月24日は静岡県訪問看護ステーション連絡協議会の研修会です。

今回のダブル改定は訪問看護に追い風の内容といわれています。各地の訪問看護師が報酬についてしっかり学び、日常業務に運用できるとステーションの経営状況が良い方向に向いていくことでしょう。

2012年3月1日木曜日

平成24年度ダブル改定への落ち着いた対応を

2月10日に訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(医療保険)が財団等の訪問看護関係団体のホームページにアップされ、医療保険と介護保険ダブル改定の内容が明らかになりました。医療保険と介護保険両方の報酬改定の情報が揃ったわけです。

そのような中訪問看護ステーションでは今何か急き立てられているような状況にあるのではないでしょうか。現場からの報告で混乱している状況がひしひしと感じられます。ある意味緊張感を持ち平成24年度のダブル改定を迎えていることは報酬改定に積極的に取り組もうとする姿勢の表れと考えることができます。しかしもう一歩踏み込んで考えるとあまりにも浮き足立ってしまい平成22年度までの報酬改定内容とのすり合わせができないために、報酬算定に関してあるいは制度そのものに関して混乱しているという印象を受けます。

今回の報酬改定に限りませんが、訪問看護ステーションが制度化された平成4年以降行数回に渡り行われたの改定内容の上にその都度新たな改定内容が付け加えられているということです。それは例えると積み木の積み上げのようなものです。積み木は土台がぐらぐらしていたらその土台の上に積み木を積み上げたとしてもバランスが悪くて崩れてしまいます。

今訪問看護ステーションが取り組むべきことは、新しい情報に振り回されることではなく新しい情報を収集ししっかり読み込むこと、またそれ以前にすることは平成22年度版の「訪問看護業務の手引き」を読み返し今までの報酬の内容を確実に理解することです。その上で新しい報酬内容との比較を行い変更された要件や新設された内容の理解に努めます。このような堅実な取り組みが4月以降の報酬算定の準備につながります。

2012年2月27日月曜日

訪問看護師はカヤの外?

地方の管理者研修に行ったとき、平成24年度から始まる介護職の痰の吸引と胃瘻の注入の指導者研修の話題がよく出ます。指導者研修会が全国で開始されているのですが、どうも訪問看護ステーションへの研修案内がなされていないようなのです。


沖縄県では約50か所ある訪問看護ステーションに県からの通知は来ていなかったということです。また長崎県でも訪問看護ステーションに直接の通知は来ておらず、同一法人の特養等に来ていた通知から研修会があることを知り慌てて参加したということです。訪問看護ステーションからの参加者は80名中4名だったそうです。


施設でも介護職による痰の吸引と胃瘻の注入はすでに実施されていますので、今後の施設の対応としてもより多くの介護職による吸引・胃瘻の注入の実施は喫緊の課題と考えますが、在宅でも同様にすでにALS等の利用者に対し介護職による吸引が行われていますから施設同様喫緊の課題であることは言うまでもありません。


なぜ訪問看護ステーションに指導者研修の案内が来なかったかは不明ですが、指導管理者になるには指導者研修を受ける方法と県にある指導者用DVDを視聴しレポート提出による方法がありますのでいずれかの方法で指導看護師の認定証を得ることができます。

このたび介護報酬で新設の看護・介護職員連携強化加算(250単位)は、吸引等が必要な利用者の介護計画作成や訪問看護員への助言・指導を行った場合に算定可能となっています。詳細な要件等はまだ明らかになっていませんが、施設同様指導看護師の認定証をもった訪問看護師が指導・助言するということも考えられますので、指導看護師の認定証を取得を考えたほうがよいかと思います。

2012年2月23日木曜日

沖縄に行ってきました

2月17日・18日に沖縄県看護協会の管理者研修に行きました。
当日の那覇の気温は14℃、空港に降りた時なんだか体がほっとしました。

管理者研修の開催は去年から始まり今年2回目です。一昨年まで沖縄では管理者研修は行われておらず、受講生は東京等の開催地に行ってたそうです。沖縄にも石垣島などの離島があります。ちなみに石垣島から那覇までは飛行機で約1時間かかるそうですが、今回は石垣島にある4か所すべてのステーションの管理者が参加することができました。その結果沖縄県にあるステーション約50か所中40名の管理者の受講でした。6時間の研修を受け参加した管理者は熱心に学び実践力をつけそれぞれのステーションに帰って行きました。下記の写真は連絡協議会の役員の方達です。


この管理者たちとの会話で2月22日に福島県にいくことを話すと、「福島県の訪問看護師たちはどうしていますか?」と心配している質問がありました。そこで昨年7月に福島県訪問看護ステーション連絡協議会の研修のとき聞いた震災後の様子を報告すると「大変ですね!同じ訪問看護師として応援しています。」と励ましの言葉がありました。励ましの言葉は2月22日の福島県須賀川市訪問看護ステーション連絡協議会のみなさんに伝えることができました。地域の違いを超え訪問看護師同志ならではの思いが伝わったのではないでしょうか。

沖縄そばを食べ宮古島産のもずくを買って帰路につきました。

2012年2月16日木曜日

平成24年ダブル改定内容が明らかに

平成24年2月10日中医協の答申が発表され、介護保険報酬と診療報酬(医療保険)の改定内容が出ました。今後通知文や疑義解釈などにより詳細な内容が明らかになってきます。

今訪問看護ステーションでは、財団や事業協会からのFAXやホームページからの情報収集に余念がない頃でしょう。なかには介護保険のPT・OT.・STの訪問看護の単位の引き下げの情報により今までより事業収入が減少すると焦りを感じているステーションもあり、またPT・OT・STの要件(1回の訪問時間20分2回目からは90/100)の解釈で今まで60分の訪問看護と同じ報酬を得ることを考え20分×3回の60分で現状と同様の報酬になるとシュミレーションしているステーションもあり悲喜こもごも。


今出ている報酬改定の情報は第一報です。今後もっと詳細な要件等が出てくるので焦りは禁物です。今はとにかく現在出ている改定内容を読み込み現時点での情報を十分把握しておくことです。また勝手な解釈や思い込みをしないことです。


特に今回の改定内容は複雑ですからまずは正しい情報収集により落ち着いた対応ができるようにしてください。

2012年1月27日金曜日

平成24年介護保険最新情報

訪問看護費の報酬改定の情報です。

まず「訪問看護3」の訪問看護費の単位が下がりました。
今まで1198単位だった「訪問看護3」が1138単位になり60単位の引き下げです。
「訪問看護1」は425単位から472単位への引き上げ、また夜間早朝の20分訪問の単位も引き上げられ285単位から316単位になりました。これらの引き上げの単位は20分訪問で31単位「訪問看護1」は47単位です。

夜間早朝の20分の訪問の要件として週に1回以上20分以上の訪問看護を実施していることと24時間体制があることが示されています。

みなさんのステーションでは、この訪問看護費の単位の変更と要件に関してどのように対応しますか?利用者は短時間の訪問看護への満足度は極めて低いという調査結果がでています。
また短時間の訪問看護の職員に与える身体的・精神的な疲弊感も考慮する必要があります。

4月以降ケアマネジャーは今まで以上に給付限度額の低い利用者に対し短時間の訪問看護の導入を勧める傾向が強くなることが予測されますし、単位が上がったためにもしかすると訪問回数の制限につながる可能性もあります。「訪問看護1」の利用者の見直しを行って報酬改定に備えてください。

2012年1月25日水曜日

平成24年介護保険改定最新情報

平成24年1月25日に介護給付費分科会が行われました。
4月の改定の詳細が示されました。その内容を項目ごとに詳しく解説します。
今回は新設の加算を紹介します。


  1. 医療機関からの退院後の円滑な訪問看護の提供に着目した評価として退院時共同指導加算の新設です。単位は600単位です。病院、診療所又は介護老人保健施設の入院中もしくは入所中の利用者に対して、主治医等と連携し在宅生活に必要な指導を行い、その内容を文書により提供した場合退院又は退所後の初回の訪問看護費に1回に限り算定できること。特別管理加算の対象者は2回算定可。しかし医療保険の退院時共同指導や新設の初回加算を算定する場合は算定不可。
  2. 初回の訪問看護を評価した初回加算です。単位は300単位です。新規に訪問看護計画を作成し利用者に訪問看護を提供した場合。初回の訪問看護を行った月に算定する。先に説明した退院時共同指導加算を算定した場合には算定不可。
この二つの加算は、同時の算定はできません。この新設の加算をうまく算定する方法ですが、まず退院時共同指導を算定するには医療機関等に出向かなければなりません。ということはステーションの職員に余裕があること、医療機関等への距離が近いこと、利用者の状態が重度で在宅移行に困難が予測されるなどさまざまな状況を勘案する必要があります。初回加算ですが、退院時共同指導にステーションが参加できないときや利用者の状態が比較的安定している場合などに算定するとよいでしょう。
いずれにせよ、これらの加算を算定するには利用者の依頼時に利用者の状態や医療機関との連携等を前もって考慮したうえでどちらの加算を算定するかをよ~く考えてください。
利用者への負担も増えるわけですから、利用者への加算の説明もできるように準備してください。

2012年1月16日月曜日

平成24年ダブル改定情報  介護保険

医療と介護の連携を進めるために、退院時共同指導加算の新設が考えられています。
今まで医療保険で対象となる利用者に対し算定した退院時共同指導加算の介護保険版といえます。今まで多くの訪問看護師は介護保険利用者の退院時にも、利用者の安心できる退院のためにとボランティアで医療機関等に出向いた、それが報酬として評価されるといってもよいでしょう。

また新規利用者の受け入れに際しその手間を勘案し初回加算の新設も考えられています。

算定用要件等詳細が明らかになり次第また掲載します。

2012年1月5日木曜日

いよいよダブル改定の年です

訪問看護師のみなさん今年もよろしくお願いします。

今年は平成24年医療・介護のダブル改定です。それぞれの訪問看護ステーションで改定に向けた準備はすすんでいますか?

コミュニティケアの1月号Review Cityに書かれていましたが、介護保険サービス提供事業の収支差益(利益)が訪問看護ステーションは2,3%と他のサービス事業と比べて低い結果が示されています。人件費率が高いことも影響していると考えますが、今までデータで把握している訪問看護ステーションの訪問実績から考えると、加算の算定率の低さの影響が大きいといえます。
加算の算定が低い理由ですが、算定要件の理解が不十分なために利用者への加算の説明をしていないことがあげられます。訪問看護ステーションは典型的な報酬依存型事業です。報酬改定に十分に備え改定の恩恵に少しでもあづかれるようにしたいものです。

そこで改定への対応として
  1. 今の報酬と算定要件の再確認
  2. 改定内容の情報収集する
  3. 今の報酬と改定の報酬の違いを比較し違いを理解する
  4. 新設された加算の対象となる利用者をイメージする
  5. 利用者の理解を得るための説明を考えスタッフ全員が説明できるようにする
以上の5項目を自らのステーションで行い報酬改定に備えましょう。