2014年8月30日土曜日

がん患者の高齢化と訪問看護

8月29日の読売新聞朝刊一面に国立がんセンター東病院が、超高齢時代のがん患者と家族の支援ノウハウの確立を目的として実施し、在宅患者で抗がん剤を服用しながら外来治療を受ける患者家族を対象とした大規模対面調査である。

がん患者のうち65歳以上の割合は約7割で支える側の家族は老々介護世帯が5割を超えるという。その中に軽度も含めた認知症の高齢者の割合は6割を超える。しかし介護保険サービスを受けている人は約1割で十分な支援をうけていないことがわかった。またそのような介護状況で家族訴えは「急変時に自宅で対応できるのか?」「膨大な治療の情報についていけないし、頭の整理がつかない」ことが明らかになった。

訪問看護を受けていれば急変時の対応への不安や治療の情報のわかりやすい説明にも対応できるのに、まだまだ在宅で療養するがん患者の訪問看護活用がすすんでいない現実が浮き彫りになった。
がん末期の在宅看取りの利用者だけが訪問看護の対象ではなく、調査対象である外来治療中で老々介護世帯やひとり暮らしのがん患者に訪問看護がいきわたるようなPRが求められている。



2014年8月19日火曜日

訪問看護ステーションのPR

見にくい写真ですが、これはバスの乗降口ドアに貼られていた訪問看護ステーションの広告です

このステッカーを見たとき、なんだかうれしくなりました。なぜかというとバスに広告を出し利用者獲得につなげようとする積極的な姿勢が見えたからです。

訪問看護ステーションのPR方法として、医師やケアマネ対象に顔と顔の見える関係を重視して行うことはもちろん有効ですが、今回のPRをブログに掲載したのは、循環バス地域が高齢化していることを見据えその地域に訪問看護ステーションの広告を掲載したという点です。

このような広告掲載はバスに乗る不特定多数の人が対象となり、訪問看護利用者獲得にはすぐにはつながりにくいこともありますが、訪問看護ステーションを知ってもらうのには良い方法だと思います。私はこのバスの循環地域の住人なので地域に複数の訪問看護ステーションが出入りしているのを確認しています。現在5か所以上のステーションが来ています。人口も多く高齢化率も高い地域ですからステッカー効果が期待できると考えます。みなさんの地域にあったPR方法考えてみたらいかがでしょうか!

2014年8月14日木曜日

来年の介護報酬改定の情報

来年の介護報酬改定で訪問看護ステーションに一番影響を与えそうな内容は、費用負担の見直しによる自己負担の引きあげと考える。
この見直しで介護保険制度創設以来初めて自己負担額が引き上げられる。実施されるのは2015年の8月からである。
2割負担になる利用者の年金収入は単身世帯で年金収入が280万円以上、これを1か月あたりにすると約23万円。
高齢者世帯である夫婦ふたり暮らしでは年金収入359万円、これを1か月あたりにすると約30万円。全認定者に「負担割合証」が発行されるので証明書の記載によって確認できる。

自己負担額が2割になる利用者数は全体の2割くらいといわれている。

報酬改定のとき利用者さんの負担が心配で加算等の算定が難しいという訪問看護師のみなさん、平成24年の内閣府調査
  • 一人当たりの1年間の平均支出は129万円
  • 1か月の在宅介護にかかる費用は6万9000円(医療費も含む)
  • 優先的にお金を使いたいと考えているベスト3は
  1. 健康維持や医療介護のため
  2. 旅行
  3. 子供や孫のため
  • 暮らし向きに心配のないと答えた高齢者は7割

そんなに困っている高齢者は少なく健康維持や医療介護のためにお金をかけてもよいと考えていることがわかる内容です。
この結果を踏まえ利用者への訪問看護提供を考えてください。

2014年8月4日月曜日

訪問看護を繋いでいく

大輪の花を咲かせたハス
2・3年前から「訪問看護師の高齢化」といわれてる。
高齢化って、どういうこと?と思うでしょ。

訪問看護制度創設から今年で22年、当時30代から40代で病院等から転身し訪問看護師になったいわゆる第一世代の人たちが50代60代になり現役を続けている。なかには70代以上の方もいる。まさに訪問看護とともに歩んできた方たちである。
このような方たちがあと1・2年で定年を迎えることになる。

訪問看護師や管理者のみなさん。
長い間の実践で培った訪問看護の神髄を後輩に伝えてください。

訪問看護師になった後輩の一番気がかりとしている緊急電話や緊急対応を少なくする看護、利用者や家族を支えるマネジメントやコミュニケーション、医師やケアマネなどとの密接な連携のとりかたなど諸先輩方の持つ高いスキルをあますことなく伝えてください。また管理者にはその役割と経営のノウハウを具体的に後継者に伝えてください。
みなさんは訪問看護を繋いでいく役割を担っているのですから。