2015年7月26日日曜日

管理者と裁量権

今までは県の事業としてのコンサルの依頼が主であったが、このところ訪問看護ステーションからのコンサルの依頼が増えている。

その理由として、ステーションを開設したが「訪問看護未経験の管理者の不安を経営側がぬぐうことができない」「管理者になって間もないため職員の承認が得られない」「経営状況を改善するのにコンサルの力を借りたい」などである。

時に訪問看護師と経営者との労使交渉のような場面に関わることもある。このような場面で痛感するのは、管理者の裁量権の有無である。
裁量権とは、管理者が自分の判断によりステーションで起こる事柄を処理していくことができることである。つまり職員採用や職員の給与・手当等や物品購入などステーションを運営していくうえで必要な事項について直属の上司と相談しつつも管理者としての決定を可能にできる。

「職員を採用したくても即決できない」「黒字を職員の手当やボーナスに還元できない」「訪問車やパソコンの補充ができない」など裁量権をもたないことで管理者として悩む管理者も多い。

では裁量権はどうしたら得ることができるのか?まずはステーションの黒字化である。それに加え戦略的かつ計画的な法人への働きかけと論理的なプレゼンテーションによる。
 
裁量権を得たとき、経営へのフリーハンドを獲得し管理者の思う通りの経営ができるようになるのだ。

2015年7月20日月曜日

イオンが介護事業に参入

7月19日の日経新聞、イオンが介護事業に参入の記事があった。
スーパー開業から約30年お店が対象となる。当時若い世代が多く住んだ地域も高齢化が進み顧客層が変わった。このような店舗にデイサービスを設け利用者確保を図るそうだ」。2018年度までに20から25か所の施設開設を予定してる。

イオンは、地方に多くの店舗があるし、なにより大手スーパーで顧客層も多彩だ。それゆえ利用者確保の市場としてみても今後に期待できるのでは・・・
みなさんの訪問看護ステーションの近くにもイオンありますよね!

デイサービス利用者にも、訪問看護が必要な利用者は多くいると思うし、なによりも利用者確保ということから考えるとイオンに来る顧客層は魅力的ではないですか!?

みなさんの訪問看護提供地域にあるイオンと組みイオンに相談窓口を設けるなどの取り組みはビジネスチャンスになりませんか?

2015年7月18日土曜日

10年ぶりの山形で

7月13日、山形大学医学部看護学科の非常勤講師の仕事でした。

写真は山形県特産の紅秀峰という名前のさくらんぼです。山形のさくらんぼで佐藤錦は有名ですが、あえて紅秀峰を買ってみましたが、驚くほど甘くて本当に美味しかったです。

「やまがた起業ナースの会」は、訪問看護ステーションやグループホームや小規模対機能などの介護事業を起業した看護職の集まりで研修会の開催だけでなく情報交換の場となっています。

会の世話人は76歳の元訪問看護師の荒木さん。60歳で行政の保健師を退職後、訪問看護ステーションを開設し8年間管理者を務め72歳の時山形大学大学院に進学し3年かけ修了したそうです。
管理者のみなさんからよく聞く「50歳の訪問看護師は高齢」の言葉って何かあきらめや言い訳にしてませんか?




2015年7月12日日曜日

医療保険利用者の交通費

7月11日徳島空港からの羽田空港に着陸しようとする飛行機からの写真です。
梅雨とは思えないくらい暑い日で夕日もきれいでした。

徳島県看護協会の管理者研修会には約20名の管理者が参加しました。徳島県の訪問看護ステーションは全国訪問看護事業協会が行った調査による今年4月1日のステーション数は、昨年と比べてみると65か所から67か所と微増しています。だた受講生のバックグラウンドから推測できることは、20名の受講生のうち営利法人はたったの1か所なので、営利法人の開設は少ないということが推測されます。

徳島県の訪問看護ステーションの特徴的なことは、全県で医療保険利用者の交通費の徴収をしていないということでした。以前は徴収していたステーションもあったようですが、地域のステーションの実情?に合わせ徴収をしなくなったということです。

医療保険の利用者の交通費は、ステーションの収益からすれば少額ですが、地方のガソリン代は首都圏に比べると常時1リットル10円以上高くなっています。もし医療保険利用者の割合が多いステーションたとえば、精神障害者や小児や障害の利用者が多いステーションでは見過ごすことはできないのではないでしょうか。

2015年7月4日土曜日

管理者のコンピテンシーモデル

7月4日土曜日、神奈川県訪問看護ステーション連絡協議会の初任管理者研修会だった。約50名の参加者の約8割が管理者になって1年未満、そのうち訪問看護の経験者はほんのわずかだった。

今回の研修にゲストスピーカーとして、ステーション開設3年で機能強化型訪問看護ステーション(Ⅰ)を算定した管理者を招へいし実践報告をお願いした。この管理者はステーションを開設した3年前に萩原の研修を受講し研修内容に触発され研修で学んだことを実践したことが成功の要因になったと報告した。

管理者が信条とし実践した7か条は以下のとおりである。
  1. スタッフとの対等な関係づくりとスタッフからの自由な提言による経営
  2. スタッフの悩みや相談へのタイムリーな対応
  3. スタッフの失敗を責めるのではなく、管理者の責任として対応
  4. 有給が取りやすい体制づくりや危険手当など給与に反映できる手当の創設
  5. 困難事例を断らない、退院調整に自ら病院に出向くなど積極的な利用者確保
  6. 報酬は看護への対価であること対価を得るために確実な仕事をするための看護師教育
  7. 訪問看護師は利用者の最大の支援者として働くことを使命とする
この管理者は、7か条を実践するにあたりリーダーシップ論に関する書籍を何冊も読んだ。またスタッフに諸手当を支給するために経理を勉強し事務長に掛け合うなどさまざまな取り組みをしているが、その陰で胃潰瘍や心臓の期外性収縮などストレスによる病気を乗り越えてきたという。並々ならぬ苦労をしたことを物語っている。
苦労の中で、この管理者を突き動かしてきたのは何か?それは7か条の7番目である看護で利用者を支援したいという一念であったと考える。研修を終え「管理者業務は楽しい。訪問看護は看護の最高峰です。」と言い会場をあとにした管理者は自信に満ちていた。