2011年9月24日土曜日

福島県訪問看護ステーション連絡協議会の管理者研修会

9月10日福島県訪問看護ステーション連絡協議会の管理者研修で郡山に行きました。会場は郡山市医療介護病院です。会長の堀内さんから「先生放射線量が多い郡山で申し訳ありません」と言われました。放射線量は確かに多い郡山ですが、そんなことは気にしません。
会場には51名の管理者がいました。福島県訪問看護ステーション連絡協議会開催の研修講師は今年で2年目です。今年の研修内容は「訪問看護のリスクマネジメント」でした。

昼食を摂りながら震災当時の話を体験者から聞きました。津波が襲ってくるときは「ヒタヒタヒタ」という静かな音と強い潮の匂いだけで、振り向くとそこに大きな水の壁が迫ってくるという鬼気迫る話を聞き鳥肌がたちました。立ち入り禁止区域の訪問看護ステーションやそのステーションで働いていた訪問看護師の状況は未だ把握できていないということでした。そのような状況の中でも、震災直後から多くの訪問看護師は休むことなく訪問看護を続けていたということです。頭が下がりました。

近く福島県民への震災当日からの生活実態調査の実施が予定されていることをある管理者が言っていました。震災後も通常と変わりなく訪問看護業務をしていたから被ばくしている可能性は高いと思うしどのような結果がでるか心配だという声も聞かれました。

現に福島県の中でも福島原発からは遠い会津中央病院訪問看護ステーションの管理者大友さんから、会津でも雨どいの下ではかなり高い放射線量が測定されると聞きました。関東地方の放射線量測定結果は北茨城まではニュースで知ることができます。たしかに北茨城ではいつも高い線量なので福島県の線量は当然のことながら高いことは容易に予測することができます。

このように多くの福島県の管理者の現状を聞きながら、本当に頭の下がる思いでした。自らの被ばくの危険を察知しながらも、利用者の在宅療養支援のため訪問看護を実施する多くの訪問看護師の献身する活動をもっと多くの人々に知ってもらいたいです。

2011年9月21日水曜日

4大疾病から5大疾病へ         

4大疾病(心筋梗塞・癌・脳卒中・糖尿病)に精神疾患が新たに加わり5大疾病になりました。重点対策を行う疾病が増えたのです。その結果各都道府県は、患者を減らす予防策や医療機関の連携強化などの医療計画を策定するようになります。その計画の柱となるのが、訪問診療や訪問看護などの在宅医療の充実だといわれています。

今までも精神疾患患者の在宅移行に関する調査研究がなされてきました。平成21年以降は長期入院を経て地域で生活する統合失調症等の精神科疾患患者は7万人と推計され、そのうちの約2万8千人に訪問看護が必要だとする報告書もあります。精神疾患の利用者に特化した事業展開をしている訪問看護ステーションも徐々に増えてきてはいますが、多くの訪問看護ステーションでは精神科看護の経験がないからという理由で利用者の受け入れに躊躇する傾向があります。

精神科疾患の中で注目されているのは認知症です。訪問看護で認知症の患者と関わる機会は多いのではないでしょうか。訪問看護で関わる1号保険者の約半数に程度の差こそあれ認知症があるといわれています。今まで認知症は介護職の本領のようになっていますが、介護職だけで認知症の利用者の在宅療養の支援ができるでしょうか。認知症の薬物療法は進んでいます。認知症の中核症状を抑える薬物だけでなく幻覚・妄想・幻聴等の周辺症状を軽減する向精神薬などの薬物療法なども積極的に行われています。在宅で先に述べた薬物療法を行っていくとき本当に必要なのは看護職の薬物の知識にもとづく服薬指導ではないでしょうか。

いま一度度訪問看護ステーションの利用者の内訳を分析するとともに、新たな認知症利用者の受け入れに対し準備する必要があるのではないでしょうか?その際認知症看護の学習が必要になることは言うまでもありません。

2011年9月9日金曜日

平成 24年報酬改定のミニ情報

9月になり2日3日は福井県の管理者研修にいきました。台風12号の影響で帰りは当初予定していた北陸本線が全面運休のため急きょ小松空港に行き飛行機で帰ってきました。財団当時も含め移動手段が行き帰りで違ったのは初めてでした。


さて8月12日政府が社会保障・税の一体改革の作業スケジュールを公表しました。来年の改正は医療保険と介護保険が同時に変わるため訪問看護ステーションのみなさんは気になるところでしょう。報酬については10月中に基本方針が決まる予定です。10月といえばもうすぐです。


新しい情報として介護報酬の地域区分が現在の5区分から7区分になることが決まりました。変わる地域は特甲地で3つの区分に分けられます。詳細は今後の介護給付費分科会で決定していくそうですが、今まで10%の上乗せだった地域の上乗せ割合が細分化されます。該当する地域の訪問看護ステーションは報酬が下がる地域が出てくる可能性もあるので今後の情報を注視する必要があります。


9月になったのでコラムの背景とフォントを変更しました。