2015年10月27日火曜日

OJT(同行訪問)で見えたこと

久しぶりのOJT、訪問看護の現場をみることができた。

フィジカルアセスメントを行い、計画されたケアをマニュアル化された方法で行っている印象を受けた。
急変ではないが緊急コールが多い30分訪問の利用者にマニュアル化された看護だけでよいのか?老衰の利用者、減少していく食事量に不安を抱える介護者を看取りに導くとき、マニュアルにある一律な看護の繰り返しでよいのか?状態変化が著しいガン末期の利用者も他の利用者と同様のマニュアル化されたケアでよいのか?それぞれの事例から、「緊急コールは不安から発していることなのだ」「こんな少ない食事量で足りているのか?」「急変した時どのようにしたらよいのか?」など利用者や介護者の叫びがきこ得てくるような気がした。本当に今必要な看護がなされているのならこんな不安な状況はなくなるはずではないのだろうか?

ナイチンゲールは看護覚え書のなかで、自らが感じたことのない他人の感情の中に身を投じる能力が、これほどまでに要求される仕事はないと記している。
ヘンダーソンもまた看護の基本となるもので、看護師は、自分の患者が何を欲しているのかのみならず、生命を維持し、健康を取り戻すために何を必要としているかを知るために、彼の*皮膚の内側*に入り込まなければならない。このように表現をしている。

なぜ緊急コールが多いのか?食事量が少ないと心配するのはどのような気持ちからなのか?死に向き合おうとしている介護者の言い知れぬ不安はどのようなことなのか?これらの状況にじっくり向き合い「なぜですか?」と聞き取り集めた情報をもとにアセスメントし実施した看護はよりたしかなものとなっていくのである。



2015年10月18日日曜日

管理者としての実り

たわわに実った柿 。
秋ですね!

10月17日は、神奈川県訪問看護ステーション連絡協議会「新任管理者研修会」7月に続く2回目。今回はそれぞれの管理者が自らのステーションの課題を抽出し解決する取り組みをしその結果を持ち寄った。

成果が出たステーションの管理者からの報告が次のとおりだった。
報告Ⅰ
ベテラン管理者のあとを引き継いで4か月目の若い管理者は、看護師の経営参画をめざしステーションの詳細な収支状況を示し収益を上げるための方法を示した。その結果看護師のモチベーションを高めその結果収益が上がった。
報告Ⅱ
ベテラン看護師が多くいるステーションの新米管理者。職員の給与を上げただけでなく収益を1億円にすると明言し職員のやる気を引き出した。
報告Ⅲ
収益を上げる目標を示し加算の算定の見直しを行った。その結果、平均単価が上がり収益も増えた。

これらの取り組みをまとめると、職員に現状を示すこと、明確な目標をしめすこと、管理者が目指す方向性を示すこと、職員との意思疎通をスムースにすることで職員のモチベーションを高めていることがわかる。そうなんです!管理者の役割は職員より多くの訪問をこなすことではなく職員の士気を高め職員が自分たちの働くステーションを良くしたいと考えられるようにすることである。このような成果が出せるサイクルを生み出せるステーションにすることである。
管理者のあなたは職員のモチベーションを高め成果をだすためにどのようなアプローチをしますか?


2015年10月13日火曜日

パトリシア・ベナー博士の講演会

10月11日ベナー博士の講演会にいった。会場はパシフィコ横浜。テーマは「看護実践における専門性」である。

専門性の高い看護実践は、論理的であることが求められる。論理的であることそれは次のように表現されていた。一般的事例の標準値や数値で表された情報と疾患の典型的・客観的特徴などを把握したうえで、個別的事例に対応するために個別の疾患の傾向と経過を一般事例の情報と関連付けて理解しさまざまな症状や状態などの事象に対応できることまたこれらの情報から今後の予測ができることとしている。訪問看護の現場で求められていることと同じである。ベナー博士は患者に寄り添うことができるのが達人ナースであるといった。
達人ナースとは
  1. 患者に同調できる→患者の気持ちになれる・理解できる
  2. 患者のリアルタイムの情報を持ち状況把握できる
  3. 一般的事例の情報をもとにして個別の事例に対応できる
  4. 関りのスキルがある→患者の考えていること・不安に感じていること・困っていることを表出させることができる
と表現していた。

私だけだろうか?講演は概念的な内容で頭の中がもやもやしたが、そこで考えたこと、もしかしたら看護は言語で表現するのが極めて困難な行為なのかもしれないが、言語化された看護行為は普遍的な行為となり達人ナースから新人ナースに継承されていくことになる。これらのプロセスにより看護の質は高まっていくことになると。


2015年10月8日木曜日

利用者さんの負担が・・・

訪問看護が訪問看護事業と称されるようになったのは、介護保険制度創設時だったと記憶している。

事業とは何であるかを考えてみた。事業とは 利益の追求と人の役にたつことを目指した活動である。多くの企業はさまざまな経済活動により利益を生み出し、利益を地域や社会への貢献に注ぎ込んでいる。

訪問看護事業と称される訪問看護ステーションはどうだろうか?
訪問看護を提供し報酬を得てそれが利益につながっている。今では年間の収益が4億近いステーションも出てきている。また訪問看護は人ためになる活動として、障害や疾病をもち在宅療養している人のために看護という手法を用いた支援で療養者の役に立っているのだ。だから訪問看護は利益の追求と人の役に立つことが同時にできる立派な事業である。

訪問看護ステーションの管理者も訪問看護師も事業に携わる者として利益の追求と人の役に立つことを同時に行っていることを認識してほしい。