2011年11月27日日曜日

たくましい宮城県訪問看護ステーションの管理者たち

11月26日宮城県訪問看護ステーション連絡協議会の管理者研修に行きました。本当は5月に開催を予定していた研修ですが、震災があったために11月に延期しました。


被災地の県に行くのは青森県、岩手県、福島県に次いで4番目でした。今まで被災地の研修では津波の被害にあった沿岸部のステーションからの出席はなく、津波の被害の状況も聞くことができませんでした。今回は被災された亘理や気仙沼からも出席していました。


家は半壊、倒壊したけれど家族とステーション職員の無事を確認できたところで、被災後4日目から訪問看護を開始したそうです。ステーションでも車は流されていましたから自転車を使い訪問したこと、震災後数日で在宅看取りを行ったこと、また記録用紙がないためカレンダーを記録用紙に使ったことなどを聞き「なんと強くたくましい人たちだろうか!」と圧倒されました。
一時は利用者が半減したものの今はまた以前と同じ利用者数に戻りつつあるということも聞き、被災地の利用者に訪問看護が届き始めていると実感しました。まさに地域に根ざす訪問看護です。

下記の写真は研修会に参加した管理者と一緒に撮影したものです。

2011年11月21日月曜日

平成 24年ダブル改定のミニ情報

今回は介護保険の報酬の情報をお伝えします。

訪問看護ステーションで行われているPT・OT・STによる「訪問看護71」「訪問看護72」の
訪問時間が3分割されます。今まで30分と60分の2分類が20分・40分・60分になる予定です。訪問実施時間が変更されることで、当然ながら単位数も変わります。また実施回数の上限を週120時間までとしています。

訪問看護利用者のリハビリテーションへの期待度は極めて高く、リハビリテーションを受けていれば安心という利用者側の「リハビリ神話」があるといっても過言ではありません。
たとえば毎日60分で訪問していた場合は週120分の制限により制約を受け回数は週2回になります。40分では週3回の訪問になります。リハビリテーションするにあたりPT等であっても一般状態の観察を行い計画に基づいてリハビリテーションを実施するのがセオリーです。このセオリーを守りながら利用者の満足度を高めるためのリハビリテーションを行うとき20分の訪問時間は妥当性が高いといえるでしょうか?

訪問看護ステーションの経営にとっても、PT等のリハビリ職員の訪問の事業収入に占める割合は極めて大きいことが明らかになっています。PT等の職員がいる訪問看護ステーションでは、今後の制度改定内容を注視しつつ経営面への影響を考慮し対策を講じてください。

2011年11月16日水曜日

平成 24年ダブル改定ミニ情報

今回は医療保険の改定内容をお伝えします。

特別指示書の対象を拡大する可能性がでています。
退院直後の状態不安定な時期に頻回な訪問看護を実施し円滑な在宅移行ができるように配慮したものといえます。対象の拡大となれば介護保険利用者や医療保険の週3回の対象者の在宅移行の支援になります。

次に複数名訪問看護加算の複数名に看護補助者という職種が新しくくわえられる予定です。
複数名訪問看護加算は以下の要件を満たした利用者に対し訪問看護ステーションの看護職・PT・OT・STが複数名で訪問看護を実施するものです。

1.厚生労働大臣の定める疾病の利用者
2.特別指示期間の利用者
3.重症者管理加算の対象者
4.著しい迷惑行為・暴力行為・器物破損行為等が認められる利用者

訪問看護の業務では看護専門職等が複数名で行わなくてもよいとする環境整備や体位交換等があるとし、その部分を看護補助者が実施できるようにするものです。もし複数名の職種に介護補助者が加わるとすればステーションで採用することになります。介護補助者には必要な教育を行うとしています。看護補助者の報酬は今までの加算額より低くなることはいうまでもありません。

今回の報酬改定内容はまだ決定したものではありませんが方向性として示されているものです。今後の動向に注視してください。

2011年11月10日木曜日

平成 24年ダブル改t定のミニ情報

今回は介護保険の現在までの情報です。

今まで日中の訪問看護と早朝夜間の20分の訪問看護を組み合わせて行うことになっていた20分以内の訪問看護が昼間も可能になるという方針が出されました。この短時間の訪問看護は医療依存度の高い介護保険利用者にきめ細かく対応できるようにという考えに基づいています。この短時間の訪問看護の実施については24時間の訪問看護体制があるステーションであることかつ週1回以上は20分以上の訪問看護を実施することが要件となるようです。短時間の訪問看護は20分以内で処置や短時間のケアだけを行うことになります。

単位数はまだ決まっていませんが、今までも「訪問看護1」による経営・運営への影響は強く、「訪問看護1」の多さによる看護師の疲弊、そして訪問看護の平均単価の低下による件数の多さに見合わない事業収入の少なさという現実があります。そして短時間で看護を行おうとする負担は看護師を精神的に追い込んでいます。20分の短時間訪問が可能になることは看護師をもっと追い込むことにはならないいかと危惧しています。

今後の具体的改正内容を注視しつつ、ケアマネジャーとの連携の在り方についても再考してください。