2013年9月29日日曜日

10月号訪問看護と介護「訪問看護の胃ろうケア」

紅葉したもみじ、秋を感じますね!

9月下旬に発売になる10月号の「訪問看護と介護」は9月号に続き「訪問看護の胃ろうケア」の特集です。
掲載されているのは今年3月末締切だった懸賞論文の応募作です。

実は私もこの懸賞論文に応募しました。応募は論文でもエッセイでもとどんな形式でもよいということだったので迷った末に期日ギリギリにメールで提出しました。入賞はできませんでしたが、編集者から「訪問看護と介護」への掲載をと連絡をいただいたときは本当にうれしかったです。

「認知症高齢者に対する介護者による経口摂取の限界」この中で紹介されているアルツハイマー型認知症の千鶴子さんと介護者は実際訪問看護の現場で出会った方でです。認知症介護の困難な現状と胃瘻造設に至る経過での訪問看護の関わりを伝えたいと考えたからです。
ぜひ読んでください。

2013年9月16日月曜日

じぇじぇじぇ!在宅高齢者の栄養状態

盛岡で食べたさんまの刺身本当においしかった!
じぇじぇじぇの北の海女ー盛岡駅で










平成24年「在宅療養者の摂食状況・栄養状態に関する研究報告書」を読んだ。調査対象者は訪問診療・訪問看護・訪問リハなど訪問系サービスを受けている在宅療養者で食事摂取内容・量はもとより血液検査から栄養状態を調査している。訪問看護に参考になる情報として抜粋した項目は以下のとおり

  • 栄養状態にある者は約3割、低栄養状態の恐れありも約3割で合計すると半数以上は低栄養状態にある。
  • 栄養状態の悪化はADLの低下および認知症の悪化を招く。
  • 栄養状態の悪化は褥瘡だけでなく誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなり、調査の直近3か月以内に入院をしていた高齢者の約半数に窒息で入院の高齢者がいた。
  • 摘便や浣腸による強制的な排便は栄養状態の悪化を招く。
  • 通所介護の回数が多いと低栄養状態が多くなる。
  • 独居の高齢者より同居世帯が栄養状態悪い。
  • 年金収入が高くなるほど栄養摂取量が減少する傾向ある。
  • 一日の食費は500円から1000円が約3割だった。
  • 一日の水分摂取量はコップ3杯が約4割だった。
この調査結果から在宅で家族と同居している高齢者は多分1日3食十分に食べて栄養状態もよいと考えていたことが覆された。また経済・家族関係・ADL・IADL等さまざまなことが栄養状態に影響していることがわかった。訪問看護の利用者では必ずしも主治医が定期的にアルブミン等栄養状態の指標になるような血液検査を実施するとは限らないので、このような情報を訪問看護のアセスメントに加えることでより専門性の高い看護の提供及び高齢者へのきめ細かい栄養指導、さらに栄養障害等から発生する異常の早期発見につながる。

2013年9月7日土曜日

起業した訪問看護師たち 

9月1日から漁獲解禁になった伊勢海老を土鍋で炊いた炊き込みごはん「海老飯」
伊勢海老のだしが効いて最高においしい!あまりの美味しさにごはん2杯半食べちゃいました。緑は枝豆です。
9月7日土曜日宮崎県の管理者研修会があった。宮崎県の管理者研修会講師は財団時代を含め7年間担当している。

今回の研修会は、起業した管理者から起業に至る経緯を含めたプレゼンテーションが行われた。このような取り組みは今まで管理者研修会講師として行った県での実績はなく今回講師としても初めての経験だったので、管理者がどのようなプレゼンをしてくれるのかとても楽しみにしていた。なぜならば講師として様々な地方にいきそこで多くの管理者から個別で起業に至った経緯等を聞くことは多いが研修会の休憩の合間など本当に短い時間に限られる。そのため起業に至る管理者の精神的な揺らぎや悩みや起業に至る詳細を逐一聞くことができないこともありとても残念に思っていたからだ。

今回3名の起業家管理者のプレゼンを聞いた。そのなかで訪問看護ステーションを最初に立ち上げた管理者は1名であと2名は居宅介護支援事業所からあるいはショートステイ事業所からの出発し今やデイサービス、有料老人ホーム、ヘルパーステーション、宅老所、障害者デイサービス、介護タクシー、グループホーム、高齢者住宅紹介センターなど事業内容は多岐にわたっていた。借金の額は1億から10億円以上と訪問看護ステーション単独の起業で想像できる額をはるかに超えていたが、そんな借金を抱えながらも現状が楽しくてたまらない様子でそれぞれが明るい表情をしていた。傍から見ると訪問看護師として現場をこなしつつ経営も楽々とこなしているそんな管理者たちだった。

管理者にはいくつかの共通点があった。
  1. 自分のビジョンが明確であること
  2. ビジョンを実現するためのやり抜く強い意志をもちそのためにたゆまぬ工夫をしている
  3. 実現のための情報収集能力の高さと広さ深さを持っている
  4. ビジョン実現に向けた真摯さがある
  5. 小さな成功体験の積み重ねと身を持って得た成功体験を次の機会にいかしている
  6. 慢心や思い込みがなくいつも小心で神経質で石橋をたたいて渡るほどの気持ちで仕事をしている
  7. 自己開示(弱さや不足している部分を他者に表現できること)がたやすくできそれによって他者からの多くの支援を受けることができる
  8. 地域に深く根ざした多くの人脈をもっている
今から10数年前にはこのような管理者が出てくることなど想像できただろうか?このような管理者に会うと訪問看護業界の果てしない夢や希望が現実的でもっと身近なものになっていくように感じて頼もしい限りだ。