2013年10月30日水曜日

難病患者の支援制度の見直し始まる  

難病患者の医療費助成制度の見直しの素案が厚生労働省から出され検討にはいった。
この素案が決定すれば新法作成後、平成26年1月の施行を目標としているそうだ。

現在医療助成対象疾患は56疾病で重症者つまりALS等では自己負担なしである。

助成対象疾患は300まで拡大され、重症者に限定するそうだ。
新たに難病指定される疾患や認定基準はまだ決まってはいないが、今まで認定されていなかった患者は負担が軽減するが、すでに助成を受けていた患者は負担が増える可能性もあり
負担額も収入に応じ上限額が決まるが自己負担は2割とする案が示されている。

訪問看護利用者には難病患者がいるステーションも多くある。2年先のことだから、まだ決まったわけではないからとやり過ごすのではなく今後の成り行きを注視してください。

2013年10月21日月曜日

認知症アセスメントスケール

「研修講師がいないからお願い!」という切迫した大学院の友達からの電話。
10月20日千葉県の経験3年未満の社会福祉士を対象とする研修会「認知症アセスメントスケール」の講師を引き受けた。
当日は雨降る寒い日曜日だった。
研修受講者は少ないが年齢の高い人から若いかたと年齢層の幅がかなり広かった。

研修に至るまでのプロセスは次のようだった。
研修講師を受けたのはよいが対象者が社会福祉士で研修内容が「認知症のアセスメントスケール」である。
今まで経験したことがない。
そこでパワーポイントスライド作成するにあたり再度認知症の在宅介護の最新の情報を含め学習をした。
次に学習した知識に基づき人脈を駆使し認知症のスペシャリストの医師からの情報収集をした。
また訪問看護ステーション時代に訪問看護導入時に認知症の有無とレベルの評価をしていた当時の記憶を手繰り寄せた。
それに加え認知症の母の現在進行形の介護体験をブラッシュアップし研修内容に加えた。
そして研修日当日を迎えた。

受講生の反応はよかった。
母の介護体験を話したが現場の経験者ということもあり関心も高く午後の眠い時間にも関わらず熱心な受講だった。

つい最近の気づきいたこと。日本訪問看護財団での講師年数を含め来年で研修講師稼業はなんと10年目を迎える。
誰かに聞いたが「10年間同じことをしていると神さまからのご褒美がある」そうだ。
これからどんなご褒美があるか楽しみにしている。



2013年10月14日月曜日

研修講師の合間に 認知症介護をして

母が週3回のデイサービスでスタッフの助けで作成しただるま 
研修講師の合間に地方に住む母の介護に行っている。母は89歳、2年前にアルツハイマー型認知症と診断され現在要介護1である。中重度の認知症である母は一人暮らしをしているが金銭管理や食事の介護や日常的な介護はすぐ近くに住む姉が行っている。私はこの2年前から1・2か月間隔で仕事の合間に時間を見つけては母の介護のために実家に帰る生活をしている。その時の介護は家中のそうじとかたづけと食事の支度が中心だ。
 
中重度の認知症の母、トイレ・歩行・着替えなどは介助はいらない。そんな状態なら介助量は多くないと考えるかもしれないが介護する側の負担感と介護上のストレスは少なくない。たとえば炊飯器のふたを中身のごはんの確認、冷蔵庫の各とびらを開け中に入っている食品を見る確認行動の頻繁な繰り返し、昼ごはんを食べた直後に「今日の夕飯は何にする?」という質問の繰り返し、まだ暑いから閉めなくていいよという制止を無視した真夏の日の高いうちの雨戸閉め、5分ともたない同じことの質問の繰り返しなどあげればきりがない。それに対応する介護者はたまったものではないし、少しでも否定や拒否すると機嫌をそこねる。そればかりでなく、私を拒否したり非難したりすることも多い。母の性格は豹変したのかと驚くことが多いがそれも病気のなせる業と自分を抑える。姉も私も今まで食事を作ってもおいしいといってもらったことはないしありがとうと言ってもらったこともない。しかし姉を支援することを考えたら今の遠距離介護を続けることは欠かせない。しかしそろそろ施設入所をしたらどうかと姉には話している。

認知症の介護の困難さは、生活支援をすることよりも繰り返し発せられる言葉や行動への対応や介護者側の正論が通らず拒否や非難されることへの辛さであるといえる。その辛さに元気なころの母親とあまりにも変わってしまった今の母親を看ることの辛さが重なりなにかもやもやとしたやるせない感情が生まれる。しかしまた1か月後には母の介護のために新幹線に乗る私である。認知症の在宅介護の継続は、介護者の忍耐によるところが大きいとは何かやるせない気持ちになるのは私だけだろうか?

2013年10月9日水曜日

癌末期の利用者の在宅移行と看取りにバタバタ感

看取りのバタバタ感は看取りに対する家族の満足度が低いばかりか、訪問看護師は一生懸命看護したにもかかわらずターミナルケアの満足度も低くい、また短期決戦のため疲弊感も強くみられる。このような結果から残念ながら組織全体のモチベーションが低下し困っていると訴える管理者がいる。
なぜそのようなことになっているのか?を考えてみよう。

  1. 医療機関での在宅での看取りの準備は十分か?
  2. 退院時共同指導で在宅看取りの情報情報共有化と在宅看取りの経験者としての訪問看護師からの十分な説明がなされたか?
  3. 利用者や家族が在宅看取りを希望していても看取りに対する気持ちの「ゆらぎ」への訪問看護師としての対応は十分だったか?
  4. 特に家族に対し看取りのプロセスの説明をわかりやすくできたか?
  5. 家族が看取りのプロセスを十分理解し訪問看護師の協力で取り組もうとしていることを確認できているか?

 医療機関の師長以上のレベルが受講するセカンドレベルでの意見、在宅移行する癌末期患者の準備やその内容を聞くと、とにかく在宅に移行するなら今しかないということで退院調整することが多いこと、また在宅に移行後患者がどのようなプロセスを経たかについて思いを巡らすことはほとんどないということである。どのような転帰をたどったのかをフィードバックし無理のない在宅移行ができるようにすること。
退院時共同指導の場では、数多くの在宅看取りを経験した訪問看護師として在宅看取りでの訪問看護の役割を明らかに示し利用者や家族が安心して在宅移行できるよう支援すること。
在宅看取りを決めても、状態の変化等が家族に不安と混乱を引き起こすことは明白なので看取りのプロセスの十分な説明と在宅看取りが可能かどうかの確認は状態の変化に伴って必要である。

このような看取りができることでバタバタ感がやりがいに変えられ訪問看護師のモチベーションにつながっていくそんなステーションになるとよいですね!