2012年6月29日金曜日

定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービス

今年度創設された目玉の定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスは、推進していきたいという国の方針に沿ったかたちでは伸びていないようです。
一体型つまり介護事業所が看護師を採用し定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスを実施する方式及び訪問看護ステーションとの連携型でもその数は伸び悩んでおり、全国で34か所そのうち一体型は6事業所で訪問看護ステーションとの連携型は28か所ですが、やはり単位数が低く抑えられていることが連携型が増えていかない理由のひとつといえます。

現在サービス提供している介護事業所の問題点は、利用者からの頻回な呼び出しが多いということです。つまり24時間いつでも対応可能としていることから利用者からの頻回な呼び出しがあり人員的にも対応するのが困難な状況が生じ始めているということです。頻回な呼び出しは「何となく不安になったから」「昼間聞き忘れたから」「近くにある物がとれない」など緊急性の低い内容が多いようです。

なぜこのような状況がなぜ起こるのでしょうか?
大きな要因として利用者への体制やサービス内容の十分な説明が不足していること、どのような時に連絡が必要かという利用者への説明の不足が考えられます。

訪問看護サービスにおいても24時間対応体制加算に同様の状況があります。どのような時に連絡すればよいのかが明確になっていないために緊急性が低い内容での連絡が多くなってしまうのです。24時間対応体制加算は24時間いつでも看護に関する相談ができること、看護師の訪問が必要な場合対応できる体制があることが要件となっています。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスの連携型を介護事業所から打診されたとき、ステーションとして対等な契約ができるように、今一度サービス内容や報酬等について十分把握しておくことが大切です。


2012年6月13日水曜日

訪問看護の架け橋

萩原が訪問看護の現場にいた期間は約11年です。

医療機関の訪問看護部門も訪問看護ステーションでも当時はまだ訪問看護の経験がない看護師がほとんどでした。
そのために「利用者から利用料金徴収が負担だ」「利用者や家族とのコミュニケーションができない」から始まり「パソコン入力ができない」などさまざまな業務遂行上の悩みを抱える看護師たちばかりでした。なによりも訪問看護そのものがわからない看護師にOJT等現場での教育を通し訪問看護を根気よく教育していきました。その時の教育理念は、変な言い方かもしれませんがどこの訪問看護ステーションに転職しても恥ずかしくない訪問看護ができる看護師の育成でした。

年月が経ち成長した看護師たちはそれぞれに転職していきましたが、現在その時一緒に働いていた看護師の4人が管理者として活躍しています。

当時まだまだメジャーではなかった訪問看護をまず看護師に伝えようと蒔いてきた種が実を結んできていることを実感しています。



















2012年6月4日月曜日

特別訪問看護指示書の有効利用

在院日数の短縮化により医療依存度や重症度の高い利用者の在宅移行が進む中、早期に退院し在宅に戻る利用者や家族の療養への不安や負担感は計り知れないものがあります。

在宅移行時の不安や心配事が多い退院直後の時期に週1回の訪問看護、このような計画で安心安全な在宅療養の支援ができるでしょうか?在宅移行がスムースできるようにするには早期の頻回な訪問看護による介入がポイントになります。

そこで特別訪問看護指示書の活用をおすすめします。
退院直後の利用者は在宅生活に慣れるまでは当然のことながら状態の不安定な状況が続きます。不安定な時期だからこそ頻回な訪問看護による支援が必要なのです。退院直後から2週間、毎日訪問看護し状態安定のケアや医療ケアの指導等を行うことで訪問看護そのものへの信頼を高めることにもつながります。なによりも頻回な訪問看護により利用者の十分な状態観察ができること、利用者の状態に合わせた医療ケアや介護指導により利用者の長期の在宅療養の継続を可能にすることができます。また特別指示書による訪問看護が高い報酬につながることはいうまでもありません。

試算すると介護保険で週2回60分の訪問看護と緊急時訪問看護加算・特別管理加算で76,800円、特別指示書2週間と24時間対応体制加算と特別管理加算、特別指示書期間以降週1回の介護保険の訪問看護は131,900円で約2倍弱の報酬になります。

報酬改定で退院時の特別訪問看護指示書の利用が認められたのですから、利用者の円滑な在宅移行のための活用をおすすめします。当然のことながら頻回な訪問看護が必要かどうかは医師の判断になります。