2012年5月24日木曜日

訪問看護研究調査報告書から

訪問看護財団から平成23年度の研究調査報告書4冊ができあがりました。さっそく取り寄せて読んでみました。

その中の「医療的ケアを要する要介護者高齢者の介護を担う家族介護者の実態と支援方策に関する調査研究事業報告書」は、医療依存度が高い利用者を介護する介護者の身体的・精神的介護負担に伴う困惑や困難を明確にし、関わる訪問看護に求められる支援とは何かを示しています。

介護者の高齢化はもちろんのこと利用者の介護度は要介護3・4・5の中重度者が約8割をしめ、かつ高度な医療処置への対応を余儀なくされていること、また医療ケアがあるためにデイサービスやショートステイなどのサービス利用の弊害になっていることで長期の在宅介護への身体的・精神的な負担を感じていることが浮き彫りになっています。

訪問看護側からはこのような介護者に対する直接かつ間接的な支援が訪問看護の滞在時間の中で十分できないとしています。ちなみに利用者への1回の訪問看護提供時間は平均60分から90分でそのうち16分弱が介護者の支援時間としています。

この短時間で介護者への支援はできるのでしょうか?
介護者の困っている状況に訪問看護師による負担軽減のための対応が求められています。その対応とは在宅療養継続の介護者の最大の負担を把握すること、その負担軽減の方法を提案できることです。訪問看護師は介護者の状況を含め看護できる唯一の職種ですから、訪問看護の内容の見直しによる回数・時間・複数名の職種による支援など、また介護者が休むことができるような通所や入所サービス利用の提言と支援ができます。このような包括的な看護をすることで、介護者からの熱い信頼を得ることができるのです。そのためには介護者支援に十分な時間を費やすことが必要です。






0 件のコメント:

コメントを投稿