2013年10月21日月曜日

認知症アセスメントスケール

「研修講師がいないからお願い!」という切迫した大学院の友達からの電話。
10月20日千葉県の経験3年未満の社会福祉士を対象とする研修会「認知症アセスメントスケール」の講師を引き受けた。
当日は雨降る寒い日曜日だった。
研修受講者は少ないが年齢の高い人から若いかたと年齢層の幅がかなり広かった。

研修に至るまでのプロセスは次のようだった。
研修講師を受けたのはよいが対象者が社会福祉士で研修内容が「認知症のアセスメントスケール」である。
今まで経験したことがない。
そこでパワーポイントスライド作成するにあたり再度認知症の在宅介護の最新の情報を含め学習をした。
次に学習した知識に基づき人脈を駆使し認知症のスペシャリストの医師からの情報収集をした。
また訪問看護ステーション時代に訪問看護導入時に認知症の有無とレベルの評価をしていた当時の記憶を手繰り寄せた。
それに加え認知症の母の現在進行形の介護体験をブラッシュアップし研修内容に加えた。
そして研修日当日を迎えた。

受講生の反応はよかった。
母の介護体験を話したが現場の経験者ということもあり関心も高く午後の眠い時間にも関わらず熱心な受講だった。

つい最近の気づきいたこと。日本訪問看護財団での講師年数を含め来年で研修講師稼業はなんと10年目を迎える。
誰かに聞いたが「10年間同じことをしていると神さまからのご褒美がある」そうだ。
これからどんなご褒美があるか楽しみにしている。



2013年10月14日月曜日

研修講師の合間に 認知症介護をして

母が週3回のデイサービスでスタッフの助けで作成しただるま 
研修講師の合間に地方に住む母の介護に行っている。母は89歳、2年前にアルツハイマー型認知症と診断され現在要介護1である。中重度の認知症である母は一人暮らしをしているが金銭管理や食事の介護や日常的な介護はすぐ近くに住む姉が行っている。私はこの2年前から1・2か月間隔で仕事の合間に時間を見つけては母の介護のために実家に帰る生活をしている。その時の介護は家中のそうじとかたづけと食事の支度が中心だ。
 
中重度の認知症の母、トイレ・歩行・着替えなどは介助はいらない。そんな状態なら介助量は多くないと考えるかもしれないが介護する側の負担感と介護上のストレスは少なくない。たとえば炊飯器のふたを中身のごはんの確認、冷蔵庫の各とびらを開け中に入っている食品を見る確認行動の頻繁な繰り返し、昼ごはんを食べた直後に「今日の夕飯は何にする?」という質問の繰り返し、まだ暑いから閉めなくていいよという制止を無視した真夏の日の高いうちの雨戸閉め、5分ともたない同じことの質問の繰り返しなどあげればきりがない。それに対応する介護者はたまったものではないし、少しでも否定や拒否すると機嫌をそこねる。そればかりでなく、私を拒否したり非難したりすることも多い。母の性格は豹変したのかと驚くことが多いがそれも病気のなせる業と自分を抑える。姉も私も今まで食事を作ってもおいしいといってもらったことはないしありがとうと言ってもらったこともない。しかし姉を支援することを考えたら今の遠距離介護を続けることは欠かせない。しかしそろそろ施設入所をしたらどうかと姉には話している。

認知症の介護の困難さは、生活支援をすることよりも繰り返し発せられる言葉や行動への対応や介護者側の正論が通らず拒否や非難されることへの辛さであるといえる。その辛さに元気なころの母親とあまりにも変わってしまった今の母親を看ることの辛さが重なりなにかもやもやとしたやるせない感情が生まれる。しかしまた1か月後には母の介護のために新幹線に乗る私である。認知症の在宅介護の継続は、介護者の忍耐によるところが大きいとは何かやるせない気持ちになるのは私だけだろうか?

2013年10月9日水曜日

癌末期の利用者の在宅移行と看取りにバタバタ感

看取りのバタバタ感は看取りに対する家族の満足度が低いばかりか、訪問看護師は一生懸命看護したにもかかわらずターミナルケアの満足度も低くい、また短期決戦のため疲弊感も強くみられる。このような結果から残念ながら組織全体のモチベーションが低下し困っていると訴える管理者がいる。
なぜそのようなことになっているのか?を考えてみよう。

  1. 医療機関での在宅での看取りの準備は十分か?
  2. 退院時共同指導で在宅看取りの情報情報共有化と在宅看取りの経験者としての訪問看護師からの十分な説明がなされたか?
  3. 利用者や家族が在宅看取りを希望していても看取りに対する気持ちの「ゆらぎ」への訪問看護師としての対応は十分だったか?
  4. 特に家族に対し看取りのプロセスの説明をわかりやすくできたか?
  5. 家族が看取りのプロセスを十分理解し訪問看護師の協力で取り組もうとしていることを確認できているか?

 医療機関の師長以上のレベルが受講するセカンドレベルでの意見、在宅移行する癌末期患者の準備やその内容を聞くと、とにかく在宅に移行するなら今しかないということで退院調整することが多いこと、また在宅に移行後患者がどのようなプロセスを経たかについて思いを巡らすことはほとんどないということである。どのような転帰をたどったのかをフィードバックし無理のない在宅移行ができるようにすること。
退院時共同指導の場では、数多くの在宅看取りを経験した訪問看護師として在宅看取りでの訪問看護の役割を明らかに示し利用者や家族が安心して在宅移行できるよう支援すること。
在宅看取りを決めても、状態の変化等が家族に不安と混乱を引き起こすことは明白なので看取りのプロセスの十分な説明と在宅看取りが可能かどうかの確認は状態の変化に伴って必要である。

このような看取りができることでバタバタ感がやりがいに変えられ訪問看護師のモチベーションにつながっていくそんなステーションになるとよいですね!

2013年9月29日日曜日

10月号訪問看護と介護「訪問看護の胃ろうケア」

紅葉したもみじ、秋を感じますね!

9月下旬に発売になる10月号の「訪問看護と介護」は9月号に続き「訪問看護の胃ろうケア」の特集です。
掲載されているのは今年3月末締切だった懸賞論文の応募作です。

実は私もこの懸賞論文に応募しました。応募は論文でもエッセイでもとどんな形式でもよいということだったので迷った末に期日ギリギリにメールで提出しました。入賞はできませんでしたが、編集者から「訪問看護と介護」への掲載をと連絡をいただいたときは本当にうれしかったです。

「認知症高齢者に対する介護者による経口摂取の限界」この中で紹介されているアルツハイマー型認知症の千鶴子さんと介護者は実際訪問看護の現場で出会った方でです。認知症介護の困難な現状と胃瘻造設に至る経過での訪問看護の関わりを伝えたいと考えたからです。
ぜひ読んでください。

2013年9月16日月曜日

じぇじぇじぇ!在宅高齢者の栄養状態

盛岡で食べたさんまの刺身本当においしかった!
じぇじぇじぇの北の海女ー盛岡駅で










平成24年「在宅療養者の摂食状況・栄養状態に関する研究報告書」を読んだ。調査対象者は訪問診療・訪問看護・訪問リハなど訪問系サービスを受けている在宅療養者で食事摂取内容・量はもとより血液検査から栄養状態を調査している。訪問看護に参考になる情報として抜粋した項目は以下のとおり

  • 栄養状態にある者は約3割、低栄養状態の恐れありも約3割で合計すると半数以上は低栄養状態にある。
  • 栄養状態の悪化はADLの低下および認知症の悪化を招く。
  • 栄養状態の悪化は褥瘡だけでなく誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなり、調査の直近3か月以内に入院をしていた高齢者の約半数に窒息で入院の高齢者がいた。
  • 摘便や浣腸による強制的な排便は栄養状態の悪化を招く。
  • 通所介護の回数が多いと低栄養状態が多くなる。
  • 独居の高齢者より同居世帯が栄養状態悪い。
  • 年金収入が高くなるほど栄養摂取量が減少する傾向ある。
  • 一日の食費は500円から1000円が約3割だった。
  • 一日の水分摂取量はコップ3杯が約4割だった。
この調査結果から在宅で家族と同居している高齢者は多分1日3食十分に食べて栄養状態もよいと考えていたことが覆された。また経済・家族関係・ADL・IADL等さまざまなことが栄養状態に影響していることがわかった。訪問看護の利用者では必ずしも主治医が定期的にアルブミン等栄養状態の指標になるような血液検査を実施するとは限らないので、このような情報を訪問看護のアセスメントに加えることでより専門性の高い看護の提供及び高齢者へのきめ細かい栄養指導、さらに栄養障害等から発生する異常の早期発見につながる。

2013年9月7日土曜日

起業した訪問看護師たち 

9月1日から漁獲解禁になった伊勢海老を土鍋で炊いた炊き込みごはん「海老飯」
伊勢海老のだしが効いて最高においしい!あまりの美味しさにごはん2杯半食べちゃいました。緑は枝豆です。
9月7日土曜日宮崎県の管理者研修会があった。宮崎県の管理者研修会講師は財団時代を含め7年間担当している。

今回の研修会は、起業した管理者から起業に至る経緯を含めたプレゼンテーションが行われた。このような取り組みは今まで管理者研修会講師として行った県での実績はなく今回講師としても初めての経験だったので、管理者がどのようなプレゼンをしてくれるのかとても楽しみにしていた。なぜならば講師として様々な地方にいきそこで多くの管理者から個別で起業に至った経緯等を聞くことは多いが研修会の休憩の合間など本当に短い時間に限られる。そのため起業に至る管理者の精神的な揺らぎや悩みや起業に至る詳細を逐一聞くことができないこともありとても残念に思っていたからだ。

今回3名の起業家管理者のプレゼンを聞いた。そのなかで訪問看護ステーションを最初に立ち上げた管理者は1名であと2名は居宅介護支援事業所からあるいはショートステイ事業所からの出発し今やデイサービス、有料老人ホーム、ヘルパーステーション、宅老所、障害者デイサービス、介護タクシー、グループホーム、高齢者住宅紹介センターなど事業内容は多岐にわたっていた。借金の額は1億から10億円以上と訪問看護ステーション単独の起業で想像できる額をはるかに超えていたが、そんな借金を抱えながらも現状が楽しくてたまらない様子でそれぞれが明るい表情をしていた。傍から見ると訪問看護師として現場をこなしつつ経営も楽々とこなしているそんな管理者たちだった。

管理者にはいくつかの共通点があった。
  1. 自分のビジョンが明確であること
  2. ビジョンを実現するためのやり抜く強い意志をもちそのためにたゆまぬ工夫をしている
  3. 実現のための情報収集能力の高さと広さ深さを持っている
  4. ビジョン実現に向けた真摯さがある
  5. 小さな成功体験の積み重ねと身を持って得た成功体験を次の機会にいかしている
  6. 慢心や思い込みがなくいつも小心で神経質で石橋をたたいて渡るほどの気持ちで仕事をしている
  7. 自己開示(弱さや不足している部分を他者に表現できること)がたやすくできそれによって他者からの多くの支援を受けることができる
  8. 地域に深く根ざした多くの人脈をもっている
今から10数年前にはこのような管理者が出てくることなど想像できただろうか?このような管理者に会うと訪問看護業界の果てしない夢や希望が現実的でもっと身近なものになっていくように感じて頼もしい限りだ。


2013年8月26日月曜日

新潟県の管理者研修会で

8月24日新潟県の管理者研修会だった。
新潟県での管理者研修講師はなんと8年目!
受講生は管理者ばかりでなくこれから管理者になる看護師たち。

研修前の時間を使い新潟大学歯学総合病院総合周産期母子医療センター
NICU入院児支援コーディネーター看護師が「NICU入院児支援事業」の紹介と研修会の案内のプレゼンテーションをした。
この事業は新潟県の独自事業で、NICU入院児の在宅移行促進を目的とし平成23年から開始され現在2年目である。
1年目はNICUから在宅移行した小児とその家族への面談や行政保健師からの地域情報の収集と訪問看護現状把握アンケート実施。
2年目の平成24年は、退院調整のシステム構築、地域のネットワークの充実と小児の訪問看護の拡充のための研修会開催である。そして平成25年は各支援機関の連携強化と更なる訪問看護の拡充を目標としている。

新潟県のステーションへのアンケートによると、医療的ケアを必要とする小児の訪問看護の経験なしが約7割だった。経験なしの理由として多くを占めていたのは小児の訪問看護独特の理由「経験がない」「医療ケアの手技が難しい」「基礎疾患が小児特有であり対応が難しい」「家族との関係構築が難しい」などが約7割だった。今後の受け入れについては「今後も受け入れる予定はない」が約7割だった。

受講生の中には小児の訪問看護をしているステーションもあった。その中には小児看護の経験者がいるステーションもあったが、経験なしで受け入れているステーションもあり経験なしゆえの苦労もあるが研修受講や医療機関の医師や担当看護師から情報提供や具体的な指導を受けながらまたステーション内でのカンファレンスで情報共有するなど試行錯誤しながら実績を積んでいる。

ある調査結果では平成24年から25年にかけ小児の訪問看護利用者は3割増えている。新潟県のような取りくみはまだ少ないかもしれない。しかし先に述べた経験なしのステーションのような地道な取り組みが功を奏している可能性も否めない。小児を含めた経験の少ない対象への訪問看護の受け入れには、受け入れへの意欲と看護の創意と工夫が求められているのではないだろうか。